仮の世[語句情報] » 仮の世

「仮の世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮の世の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
って山を下りたよりも早かった。一頃は本所辺に小さな家を借りて、細君の豊世と一緒に仮の世帯を持ったが、間もなくそこも畳んで了い、細君は郷里へ帰し、それから単独に成....
旅愁」より 著者:横光利一
ぬものは、恐らく誰一人もいなかったことだろう。してみれば、その者にとって衣食住は仮の世界、さまよう自分の旅ごころこそ実の世界、と念うもの佗びた心情もあの草の中の....
源氏物語」より 著者:紫式部
上げられてある下から家の全部が見えるほどの簡単なものである。哀れに思ったが、ただ仮の世の相であるから宮も藁屋《わらや》も同じことという歌が思われて、われわれの住....
源氏物語」より 著者:紫式部
昔になる、物の錆びたことによって人間の古くなったことも思われる。それを知りながら仮の世の執着が離れず、人に心の惹《ひ》かれることのやむ時がない自分であると源氏は....
源氏物語」より 著者:紫式部
なった。 翌朝早く院は明石夫人へ手紙をお書きになった。 泣く泣くも帰りにしかな仮の世はいづくもつひのとこよならぬに という歌であった。昨夜の院のお仕打ちは恨....