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仮令
「仮令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
硫化水素は、患者の毒気といわれるほどで、到る処に痕跡を残して行くのです。それに、
仮令純粋のものでも、昨夜のような、猛烈な濃霧に遇っちゃたまりませんよ。散逸する以....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
ば「近代的」という事に縁が遠いと言われるかも知れぬ。そんなら、この処に一人の男(
仮令《たとえ》ば詩を作る事を仕事にしている)があって、自分の神経作用が従来の人々....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のないものを施すのは一番大きな罪だと知らねばならぬ。そして愛の極印のあるものは、
仮令お前がそれを地獄の底に擲とうとも、忠実な犬のように逸早くお前の膝許に帰って来....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
多寡の知れたものだよ。歩き、停まり、手を振り、物を握って離す――それだけの事だ。
仮令この室から出たにしても、あの創紋を彫るなどとはとんでもない妄想さ。そろそろダ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
のならば、馬士でも船頭でも、われら坊主でも、無下に振切って邪険にはしそうもない、
仮令恋はかなえぬまでも、然るべき返歌はありそうな。帯の結目、袂の端、何処へちょっ....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
雑誌としては甚だ不廉のようであるが、七十四年間の雑誌を揃えるは頗る至難であって、
仮令二千円三千円を出した処で今日直ちは揃え得られるものでは無い。僅か十年かそこら....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
や下駄屋さんや差配人さんを理想とせずとも済む。文人は文人として相当に生活できる。
仮令猶お立派に門戸を張る事が出来なくとも、他の腰弁生活を羨むほどの事は無い。公民....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
命懸けの外のお仕事にかかられる時には、きまり切って橘姫にお声がかかる。これでは『
仮令死んでも……。』という考が橘姫の胸の奥深く刻み込まれた筈でございましょう。 ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
田直介との結婚前に、飯田橋|舞踏場のダンサーをしていたんだぜ。その比露子夫人が、
仮令多少の距離があったにしろ、そして又、
仮令もう一人の百姓の証人――彼はダンスの....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、やがて厳粛な顔をして立ち上った。 「いいえ、どうあろうと一向に構いませんわ。
仮令、私が犯人にされた所で、菩薩にあるまじき邪悪の跡に、反証を挙げてさえ頂ければ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
いた。 「法水君、結局君の智能が孔雀を救った事になるじゃないか。そうでなければ、
仮令犯行が奈落で行われたにしてもだ。誰しも一応は、あの震動が孔雀の擾乱手段ではな....
「死神」より 著者:岡崎雪声
芝の花園橋の直ぐ近所の鈴木某氏の門弟であった頃だ。私は一日と十五日との休日には、
仮令雨がふっても雪がふっても、必ず自分の宿になってくれた、谷中清水町の高橋某氏の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
し面白いものであろうと楽みにしておる、左に右く現に文学を以て生活しつつある以上は
仮令素志でなくても文学にもまた十分身を入れてもらいたい、人は必ずしも一方面でなけ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
面影』も『平凡』も皆未完成の出来損ないである。あの三作で文人としての名を残すのは
仮令文人たるを屑しとしなくてもまた遺憾であったろう。 結局二葉亭は日本には余り....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ばその霊媒者とやらがいるかという事も調べました。 で、早速出かけてみたんです。
仮令目的は達しられないでもいい。しかし万一そういう事が行われるなら、それに越した....