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仮借
「仮借〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮借の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ほど強い効果を現わすのである! 翌日になるとひどい熱が出た。ペテルブルグの気候の
仮借なき援助によって、病勢が予想外に早く昂進したため、医者は来たけれど、脈をとっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のお駕籠《かご》先で割腹自刃を遂げたのでありました。そういう場合のそういう事件を
仮借することなしに裁断する公儀のことばは、上へたてつく不届き者という一語に尽きて....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
われら世界人類の義務であると共に権利である。地球外よりの無断侵入者に対しては何の
仮借するところがあろう。よろしく即時われらはその全武力を大西洋海底に集中し、一秒....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には、さすがに多少の勘弁もあったが、夜の道場に立った時には、すこしの過失も決して
仮借しないで、声を激しくして叱り付けた。武芸の稽古は命賭けでなければならぬという....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を加えたことも勿論であろう。しかし、法水はこの典雅な婦人に対して、劈頭から些かも
仮借せず、峻烈な態度に出た。
「ところで、最初からこんなことを申し上げるのは、勿....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たな。裁きは豊後に申しつくる。なお、町人どもをどのように苦しめているやも知れぬ。
仮借のう糾明せい。――目障りじゃ。早うひけいッ」 鶴の一声、とびかかった御近習....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
出たりはいったりした。 三日続いた狂言はかなりの評判をとった。たとい村芝居でも
仮借はしなかったほど藩の検閲は厳重で、風俗壊乱、その他の取り締まりにと木曾福島の....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ぬ。その理想は絶対的に寸毫といえども低められてはならない。しこうして現実は少しの
仮借もなく、あるがままに認められねばならぬ。かくて天と地とを峻別し、しかる後にこ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
な、誰にも分かる「万葉集入門」を意図したのであったのだけれども、いよいよとなれば
仮借しない態度を折に触れつつ示した筈である。昭和十三年八月二十九日斎藤茂吉。 ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
出すように、新子を追い出すということが許せるだろうか。 準之助は、他人を一歩も
仮借しようとしない、夫人の増上慢に、……その無残な仕打に、良人として、いな一人の....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
が死ぬ。私の恋人、私の心の愛人が死ぬ。それは、その個人の裡に常に宿っていた秘密の
仮借なき凝固であり永久化であるのだ。そういう秘密を私もまた自分の裡に宿して自分の....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
っているのに――あなたがたに泣けというのだ――無量の涙を流して。もしも、こうして
仮借のない運命がその本望を遂げるならば、そして、墓穴に入って平和になる前に、あな....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
半はこの炭坑一本に賭けられて、人も機械も一緒くたに緊張の中に叩ッ込まれ、きびしい
仮借のない活動が夜ひるなしに続けられていた。しかし、海の底の炭坑は、いかなる危険....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
だけ緩慢に貴方の云いなりになって延期もして来たような訳ですからな、この上は一歩も
仮借する段ではありません。如何なる処分を受けても苦しくないと云う貴方の証書通り、....
「春風遍し」より 著者:小川未明
一種の悟りに似たような冷淡を覚えるのであります。曾ては金持や、資本家というものを
仮借なく敵視した時代もあったが、これ等の欲深者も死ぬ時には枕許に山程の財宝を積み....