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仮名文
「仮名文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮名文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「盲人独笑」より 著者:太宰治
には、「一日葛原※君、余が学校を訪われ君が祖父故葛原勾当自記の四十余年間に亘れる
仮名文字活字日誌を示され、且《かつ》、其生存中に於ける事業の大要及び勾当の趣味等....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
汽車がとまる。瓦斯《ガス》燈に「かしはざき」と書いた
仮名文字が読める。予は下車の用意を急ぐ。三四人の駅夫が駅の名を呼ぶでもなく、只歩....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と古い枯葉には虫の蝕《く》ったような跡があった。更によく見ると、その虫蝕いの跡は
仮名文字の走り書きのように読まれた。おそでしぬ――こう読まれたのである。お袖死ぬ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
書きあげたのを、自慢そうだ―― 「どれ見せろ」と、僕は取って見た。 下手くそな
仮名文字だが、やッとその意だけは通じている。さきに僕がかの女のお袋に尋ねて、吉弥....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
令部では、印刷電信機が、リズミカルな響をあげて、各所の要地から集ってくる牒報を、
仮名文字に打ち直していた。 事態は、刻々に、うつりかわって、北満、朝鮮国境から....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
聞くのを楽しみにしました。勿論草双紙の類は其前から読み初めました。初めの中は変な
仮名文字だから読み苦くって弱りましたが、段々読むに慣れてスラスラと読めるようにな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
蝋燭の灯に映る紙の上に和歌なぞを大きく、しかもいろいろに書いて遊んだ。あるものは
仮名文字、あるものは真名文字というふうに。それを三郎にも益穂にも分けると、二人は....
「獏鸚」より 著者:海野十三
とここだというところまで解いて、それで駄目だったのは、あの『あらまそーお』云々を
仮名文字のまま引繰りかえしたから失敗したのだ。それで日本式のローマ字に綴って、そ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。 その紙片は十数通の無線電信の受信紙であった。 大尉は一番上の受信紙の、片
仮名文字の電文を口の中で読みくだした。 「ヒコートウノコージハオモイノホカハヤク....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けが、かんかんと明るく、昨夕「若葉屋」と書いてあったところに、今宵は「こなや」と
仮名文字《かなもじ》で記されてありました。 駕籠《かご》はと見れば軒下に置放し....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
の先輩達が軍法に属する書物を一応読んで聞かせて、それを私どもにも読ませる。総てが
仮名文で、漢籍を読む力では実にばかばかしいものであったが中段が得たいばかりに、腹....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
白紙なのである。――と思ったのは間違いで、書物の真中と思われる辺りに、次のような
仮名文字が記されてあった。 「くぐつ、てんせい、しとう、きようだ」 何のことだ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
渡って来たもので、煙草の煙りを口へ吸って、それを口から吐き出して、柳に蹴毬とか、
仮名文字とか、輪廓だけの龍虎とかそういうものを空へかいて、見物へ見せる芸なのであ....
「紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
、仮名をトンにし、漢字をツーにして、早く、この十二組の文字を書き直して、どういう
仮名文字に相当するか検べてください」 私はやっとかかって左のとおり検べあげまし....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
人の子守女が低い足駄をガタつかせて、その上に重なりおうててんでに口のなかで紙切の
仮名文字をおぼつかなく読んで見てはキャッキャッと笑う。 子守女とはいうものの皆....