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仮名書
「仮名書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮名書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ゆきき》し合っていたのです。)ある日私が友人のあるドクトルに誘われて、丁度|於伝
仮名書《おでんのかなぶみ》をやっていた新富座《しんとみざ》を見物に行きますと、丁....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
曇って、 「どうぞ、此金で、苦界が抜けられますように。」 その時お蔦も、いもと
仮名書の包みを開けて、元気よく発奮んだ調子で、 「おお、半襟を……姉さん、江戸紫....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
日加藤子爵夫人の手より受け取りて読みし時の心はいかなりしぞ。武男は書をひらきぬ。
仮名書きの美しかりし手跡は痕もなく、その人の筆かと疑うまで字はふるい墨はにじみて....
「大脳手術」より 著者:海野十三
封してみると、それは果して怪しい文書であった。全文は、邦文タイプライターによる平
仮名書であった。その文に曰く、 “やみかわ よりかいとった。そしてそのあしは、か....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
まだ論文とか紀行文とかいうほどのものを作る生徒がないので、まず紀事といって、ある
仮名書の文章一段を漢文に翻釈させるばかりであった。これは私も読書力があったから、....
「源氏物語」より 著者:紫式部
もののような気持ちでたいしたことのない限りはおたよりを聞こうともしませんでした。
仮名書きの物を読むのは目に時間がかかり、念仏を怠ることになり、無益であるとしたの....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
祝宴のあった時、大膳大夫|道祖王が此歌を作った。初句、「あらたしき」で安良多之の
仮名書の例がある。この歌は、平凡な歌だけれども、新年の楽宴の心境が好く出ていて、....
「市川九女八」より 著者:長谷川時雨
の時分の年増の気のきいた好みさ。だが、あッしばかりじゃない。全体、あの『綴合於伝
仮名書《とじあわせおでんのかながき》』というのは、いつだったかねえ、お伝の所刑《....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
すか、すっかり手摺れて、模様もはっきりしません。一冊の紙数は幾らもないのでした。
仮名書の本は読みつけていましたから苦になりません。家に古くからあった草双紙のどこ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に移って、そこでは「菅原」の梅王と菅丞相や、「月笠森」のおきつとおせんや、「於伝
仮名書」の高橋お伝などを見せていたが、恐らくその当時が彼女の全盛期であったのであ....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
種類のものだと考えていなかった事は、万葉集や高橋氏文には常にこれを多邇具久などと
仮名書きにし、祝詞の筆者も或いは「谷潜」の文字を用いているのによっても察せられよ....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
しかし今日ではもはやそれでは許されぬ。漢字にたよらず、もっぱら自国の文字でそれを
仮名書きにする西洋人にとっては、ニッポンとニホンとは明らかに別の名である。ことに....
「特殊部落の言語」より 著者:喜田貞吉
誌をダッシと云ったりなどする。六条村年寄の留書を見ると、辻子の事をよく「るし」と
仮名書きしてある。斬罪役」の句に至って、「丸で穢多の様だ」と、満場の哄笑を買った....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
近ごろになって始まったのではなく、既に文安の「※嚢抄」にも、明らかに「エッタ」と
仮名書きしてあるのである。それを前出の「塵袋」に「エタ」とあるのは、当時果してそ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
平も、顔をよせた。幾つにも折れている小さな紙は、大亀の手でひらかれた。それには、
仮名書きの墨あとも淡い文字のあとが、こう読まれた。 あめつちの、かみ、ほとけに、....