仮埋葬[語句情報] » 仮埋葬

「仮埋葬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮埋葬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
窮死」より 著者:国木田独歩
ある一物《いちもつ》を見た。 この一物は姓名も原籍も不明というので、例のとおり仮埋葬の処置を受けた。これが文公の最後であった。 実に人夫が言ったとおり、文公....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
気がしなかった、ということは私も否定しはしない。 アッシャーの頼みで、私はこの仮埋葬の支度を手伝った。遺骸《いがい》を棺に納めてから、私たちは二人きりでそれを....
復讐」より 著者:夢野久作
……しかしそのうちに乳飲児の品夫が、お磯婆さんと一緒に此家に引き取られて来るし、仮埋葬になっていた実松源次郎氏の遺骸も、正式に葬儀が行われるしで、事件は一先ず落....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
「娘十四、五歳、新しき浴衣を着す」「深川区毛利町方面殉死者」などと記されている。仮埋葬は都内六十七ヵ所。既設は谷中、青山のみ。あとは錦糸、猿江、隅田、上野等の大....
無惨」より 著者:黒岩涙香
男年齢三十歳より四十歳の間|当二十二年七月五日区内築地三丁目十五番地先川中へ漂着仮埋葬済○人相○顔|面長き方○口細き方眉黒き方目耳尋常左りの頬に黒|痣一ツあり頭....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
い調物があるなあ」 隣にいた巡査がニヤ/\しながら云った。 「僕の方は三年前の仮埋葬死体の照会だ」 「え、三年前」 耳寄りな話だと石子刑事はその巡査の方を向....
謎の街」より 著者:松本泰
で彼がどこの何者であるか知る術《すべ》もなく、死骸は身元不明者として領事館の手で仮埋葬に付された。 それから三日ばかりの間にわたしは日に幾回となく並山に電話を....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
な事が御座います。あの丹波小僧と巡礼お花の死骸を、共同墓地の藤六の墓の前に並べて仮埋葬にしておいたので御座いますが、その埋めました翌る日から、女の死骸を埋めた土....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
オートバイにて先導しつついずれへか立ち去りし趣なるが、該屍体はそのまま共同墓地に仮埋葬し、自動車は数寄屋橋タクシーに返還したる模様なるも、狭山課長の消息はその後....
大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」より 著者:宮本百合子
に行けずとまる。 六日 A青山。鎌倉から小南の兄かえり、叔母上、季夫圧死し、仮埋葬にした由 七日 午後A来。荷物半分負うて行く。 八日 自分基ちゃん....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うち、ただ今から確かめに急ぐと致しましょう」 ただちに馬車にのって警察を訪ね、仮埋葬の死人を見せてもらうと、黒白の相違もあって人相では一切判断できないが、身体....
自殺か他殺か」より 著者:小酒井不木
体はまだそのままにしてありますか」 「いいや、暑い時節だから、昨日の朝、ひとまず仮埋葬に付した」 「それはなおさら困りましたねえ。しかし、ここでとやかく考えてい....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
方の、例のマンガン鉱山を南に仰いだ小山の麓に――父親の眠っている墓の傍らに、一時仮埋葬をすることにしたというのです。が、その後何日かたって、水番の六蔵と馬丁の福....
三国志」より 著者:吉川英治
るがよい。伝え聞くや、呂布はこの時とばかり、城を出て攻め寄せて来るにちがいない。仮埋葬を営むと触れてわが仮の柩を、馬陵山へ葬れ」 「はっ……」 「馬陵山の東西に....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
り通さねばよかったのに…… 私らは熱灰を踏んで死体を生化学教室の横の防空ごうに仮埋葬した。──天草には白山茶花が多い。この仮墓の上に白山茶花を植えようと思いな....