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仮宅
「仮宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
吹き出して、それが又いつか北に変った。吉原は去年の四月丸焼けになった。橋場今戸の
仮宅から元地へ帰ってまだ間もない廓《くるわ》の人びとは、去年のおそろしい夢におそ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
て、みんな商売をはじめていました。猿若町の芝居も蓋をあけるという勢いで、よし原の
仮宅は大繁昌、さすがはお江戸だと諸国の人をおどろかしたくらいでした。 なんでも....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の手合わせも順調に行なわれた。この手合わせは神奈川台の異人屋敷にあるケウスキイの
仮宅で行なわれた。売り込み商と通弁の男とがそれに立ち合った。売り方では牡丹屋に泊....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
かしら、親しみさえ感じてきた。 六 又五郎は、奈良手貝、河合甚左衛門の
仮宅に、身を寄せていた。 江戸から、広島へ、広島から、大阪、奈良へと、己の身体....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
瞳に、ありありと映り、柱の干割れるのまで、きこえて来るという男だ。
広海屋の、
仮宅の前にたたずんだが、
――変だぞ!
と、小くびが、かたむいて、
――何....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の方から、鎌をかけて、 「では、近藤先生のお宅はいかがで、木津屋橋の近藤先生のお
仮宅《かりたく》ならば、わたしがくわしく存じております」 「近藤は虫が好かん」 ....
「細木香以」より 著者:森鴎外
の句の中に「かへりみる春の姿や海老の殻」と云うのがあった。 文久元年の夏深川に
仮宅のある時であった。香以は旧交を温ねて玄魚、魯文の二人を数寄屋町の島村半七方に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のでした。 実家の両親は大へんに私の身の上を案じてくれまして、しのびやかに私の
仮宅を訪れ、鎌倉へ帰れとすすめてくださるのでした。『良人もなければ、家もなく、又....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
で女中を返し、自分ひとりで神田|和泉町《いずみちょう》の陳東海《ちんとうかい》の
仮宅《かりたく》へ訪ねて行ったところ、どういういきさつがあったのか、陳に殺されて....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
のではない、吉原からも出たのだと申します。此の火事で吉原が類焼したために、深川に
仮宅が出来ましたから、深川の賑いは実に大したことで、小さい女郎屋は馬道山谷|辺の....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
の音が、大川に、ひびくせいか、ばかに近く聞えるのだった。卯平の話によると中洲に、
仮宅ができたので、四季亭とか、花明庵とかいう茶屋が、ひどく繁昌するということだっ....