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「仮寓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮寓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
ちしま》に行かんとなり。 五日、いったん湯の川に帰り、引かえしてまた函館に至り仮寓《かぐう》を定めぬ。 六日、無事。 七日、静坐《せいざ》読書。 八日、....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
再びここが開かれたのだという。 仙台坂を少し下って行くと、右側に米内海軍大臣の仮寓があった。米内さんの家は原宿だったが焼け、それ以来ここに来て居られる由。 ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
私は大正十二年の震災に麹町の家を焼かれて、その十月から翌年の三月まで麻布の十番に仮寓していた。唯今見いだしたのは、その当時の雑記である。 わたしは麻布にある間....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
国、オランダ等の諸領事はさみしい横浜よりもにぎやかな東海道筋をよろこび、いったん仮寓と定めた本覚寺その他の寺院から動こうともしない。こんな事情をみて取った寛斎ら....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
香蔵がすでに京都にいないことを知った。その手紙をくれた景蔵も、ひとまず長い京都の仮寓を去って、これを機会に中津川の方へ引き揚げようとしていることを知った。 真....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が如くにして退く。これを名づけて蝦蟆説法という。 松江へ行って、道士の太古庵に仮寓していた。その時に見たのは、鰍を切るの術である。一尾は黒く、一尾は黄いろい鰍....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
も、その何れかで委しく書かれている筈である。)その後私たちは、毎月一回、青楓氏の仮寓に集って翰墨の遊びをするようになった。その常連は、私の外には、経済学部の河田....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
かでないが、彼女自身の通信によれば、落城後間もなく病にかかり、油壺の南岸、浜磯の仮寓でさびしく帰幽したらしいのであります。それかあらぬか、同地の神明社内には現に....
時 処 人」より 著者:岸田国士
ころへ集つて来る。 一昨年は北軽井沢、昨年は伊豆三津浜に、今年は、この小田原の仮寓に、親子三人、例の如く元日の朝の食卓に向つている。(筈である……) ただ今....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
う。門札は名前が変っていた。入口にあった御柳も姿を見せない。 その当時、鶴見の仮寓の真向いは桶屋だった。頗る勤勉な桶職で、夜明けがたから槌の音をとんとん立てて....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
わせて丘の隅々までも丹念な絵と素朴な詩とを織り込んで居る。景子のロンドンに於ける仮寓は此の丘の中に在った。 中秋の或る快晴の日の午後、景子は友人の某大学英文科....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
私は大正十二年の震災に麹町の家を焼かれて、その十月から来年の三月まで麻布の十番に仮寓していた。ただ今見出したのは、その当時の雑記である。 私は麻布にある間に『....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
漁色とするは時代を無視した謬見である。 椿岳は物故する前二、三年、一時|千束に仮寓していた。その頃女の断髪が流行したので、椿岳も妻女(小林家の)の頭髪を五分刈....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
る篤学であろうと想像し、敬意を表しかたがた今後の寄書をも仰ぐべく特に社員を鴎外の仮寓に伺候せしめた。ところが社員は恐る恐る刺を通じて早速部屋に通され、粛々如とし....
」より 著者:岡本かの子
十郎。女賊目黒のおかん。おかんの父。 一 上目黒渋谷境、鈴懸の仮寓、小さいが瀟洒とした茶室造り、下手に鬱蒼たる茂み、上手に冬の駒場野を望む。鈴....