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「仮屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藁草履」より 著者:島崎藤村
した。馬も三百頭ではききますまい。それは源が生れて始めての壮観《ながめ》です。御仮屋《おかりや》は新しい平張《ひらばり》で、正面に紫の幕、緑の机掛、うしろは白い....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
つくって通過したのも、この原へ通う道だった。馬市の立つというあたりに作られた御|仮屋、紫と白との幕、あちこちに巣をかけた商人、四千人余の群集、そんなものがゴチャ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
人その仲間にもれたことを思い、袴をつけたままの改まった心持ちで、山吹村|追分の御仮屋から条山神社の本殿に遷さるるという四大人の御霊代を想像し、それらをささげて行....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
江へおくだりになりました。お二人は蚊屋野にお着きになりますと、ごめいめいに別々の仮屋をお立てになって、その中へおとまりになりました。 そのあくる朝、忍歯王は、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
金剛纂なぞ植え込んだ一寸した小庭が出来て居て、ランプを入れた燈籠が立ち、杉皮葺の仮屋根の下に墨黒々と「彰忠」の二大字を書いた板額が掲って居る。然る可き目的がなけ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
この十六番の射手が流鏑馬《やぶさめ》を終って、馬を乗り鎮め、馬場を乗り廻して仮屋へ帰る勢揃いがまた見物となります。そのなかでも、どうしても評判に上り易いのは....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
私達はゆめをみた。現実とは凡そかけはなれたものでしかなかった。日がくれると、私は仮屋へ戻った。計量機の上へ丼をのせ、ほとんど豆ばかりの御飯をついで、大勢の家族は....
丹下左膳」より 著者:林不忘
しめなわ》、歯朶《しだ》、ゆずり葉、橙《だいだい》、柚《ゆず》……。 立ち並ぶ仮屋に売り声やかましくどよんで、臼《うす》、木鉢《きばち》、手桶《ておけ》などの....
雪の宿り」より 著者:神西清
れるお聖は、この浅ましさを見るに見兼ねられて、義政公にお許しを願って六角堂の前に仮屋を立て、施行をおこなわれましたが、このとき公方様より下された御喜捨はなんと只....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
決をねがいあげたところ、やらせて見い、との仰せ。……よって、明日、お鷹狩の後、お仮屋寄垣《かりやよせがき》のうちにて、両人の吟味問答をお聞きになる」 吟味、捕....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
これが、蟻の這うような擦り足で行くんだから十町ほどの道がたっぷり一刻はかかる。お仮屋に御霊遷がおえたころには、早い夏の夜は明けかかろう。 三人はお仮屋わきの幕....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、月に幾日か弓袋を持った人が出入して、的に中る矢の音が聞えます。その人たちの休む仮屋が片隅の二本杉の傍にあって、賑やかな人声もしますが、常は静かなもので雉子が遊....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
宜上、米町川の上流、大笹に地を選んで、とにかく、在家を土蔵ぐるみ、白壁づくりに、仮屋を合せて、女神像をそこへ祭って、可心は一生堂守で身を終る覚悟であった処。……....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
わえる町なり。明日は牛頭天王の祭りとて、大通りには山車小屋をしつらい、御神輿の御仮屋をもしつらいたり。同じく祭りのための設けとは知られながら、いと長き竿を鉾立に....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が好い。 そして皆さんが気に入ったのを取りなさるが好い。 皆が取って、急いでこの仮屋の道を 花園に紛れるようになさるが好い。 売手も品物も、賑やかに 取り巻いて....