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「仮想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮想の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ことを主張していられる。もし第一の種類に属する芸術家がそれを主張するようなことを仮想したら、(その芸術家はそんなことを主張するはずはないけれども)あるいはそれは....
星座」より 著者:有島武郎
それはたいした問題ではなかった。 渡瀬は茶の間を見廻わした。そして真剣な準備を仮想的に目論見《もくろみ》ながら、 「今日はお母さんはお留守ですか」 と尋ねて....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
同を遂《と》げて緊張性を失う場合には媚態はおのずから消滅する。媚態は異性の征服を仮想的目的とし、目的の実現とともに消滅の運命をもったものである。永井荷風《ながい....
泥濘」より 著者:梶井基次郎
》れている床を見ているこちらの目が妙にうろたえた。独り相撲だと思いながらも自分は仮想した小僧さんの視線に縛られたようになった。自分はそんなときよく顔の赧《あか》....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て受取らないで、センティメンタルに考えるところに肉慾の世界という堕落した人生観が仮想される。この野獣の過去にまでの帰還は、また本能の分裂が結果するところのもので....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
の探知し得た信用の出来る情報です。だが、考えても御覧なさい。×国は三十年も前から仮想敵国として我国を睨んでいるのです。あらゆる術策が我国に施されてある中に、最も....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
・地精――と、物質構造の四大要素を代表している。云うまでもなく、中世の錬金道士が仮想していた、元素精霊には違いない。そして今までは、水精と扉を開いた水、風神と倍....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
試運転中の飛行島の艦側に、暗夜の出来事とはいえ、あろうことかあるまいことか、仮想敵国の日本の潜水艦ホの十三号が、皮肉な護衛をしていたのに誰も気がつかなかった....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
分の住宅の為にさして新らしい欲望を持って居ないのを逸作はよく知って居る。かの女が仮想に楽しむ――巴里に居る独息子が帰ったら、此の辺へ家を建てて遣ろうか、若しくは....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
性の面影と同じものであった。白い手袋をはめたがっしりした手を握ったような感触まで仮想し、それを信じ始めた。妙な感情であった。私は彼に恋愛感情を抱いているのだと思....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の幽霊を祓う事(首縊幽霊は最も獰猛なる悪鬼で、阿Qが女を口説いたのもその祟りだと仮想する)。費用は阿Qの負担とす。 三、阿Qは今後決して趙家の閾を越えぬ事。 四....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
がある。ところで、その人達に点数をつけることができます。例えば、それを全部俳優と仮想して、これに点数をつけてみせることができる。しかし、種々雑多の、社会のいろい....
決闘場」より 著者:岡本かの子
ジョーンを一寸淋しそうにも思わせたが、又何となく楽しいアイリスとの別居のようにも仮想させた。彼は下町に在る大学からの帰途、アイリスを訪ねた。その都度二人は見違え....
」より 著者:岡本かの子
伯と結婚時代の邸内にいたという殊勝だった書生の名ででもあったろうか。それとも全然仮想の名か。手紙は五つの封筒に七つばかり、二つかためて一つ封筒に入れたのもあった....
妖怪学」より 著者:井上円了
五年前に起こり、ロは四年前、ハは三年前、ニは二年前、ホは一年前に起こりたるものと仮想してこれを論ずるに、脳中の全部分醒覚するときに限りて、前後を対照してその新旧....