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仮普請
「仮普請〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮普請の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「荒雄川のほとり」より 著者:佐左木俊郎
の時分までは再建を続けられていたのだそうだが、坊主が養蚕で火を出してから、今では
仮普請《かりふしん》の小さなものになってしまった。当時、聖徳太子が自ら刻んだとい....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
わない」と甲野さんは断案を下《くだ》した。 池の水に差し掛けて洋風に作り上げた
仮普請《かりぶしん》の入口を跨《また》ぐと、小《ちいさ》い卓に椅子《いす》を添え....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
う半年もたったので、案外に世直しも早く出来て、世間の景気もよくなりました。勿論、
仮普請も沢山ありましたが、金廻りのいゝのや、手廻しの好いのは、もう本普請をすませ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
白い土の上をたどってゆくと、レストラン・コスモスという新しい料理店のまえに出た。
仮普請同様の新築で、裏手の方ではまだ職人が忙がしそうに働いている。一行はここの二....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
のではないかということである。探偵小説はしばしばこういうリアリティーの精密そうな
仮普請をする。それが科学的に詳細であり、現実らしい確実さがあればある程、読者はそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
か知らない、それを、わたしの御贔屓《ごひいき》のいま申し上げた親分さんが、ほんの
仮普請をして、ごく懇意の人だけ湯治をするように仕かけてあるんですとさ、そこを、わ....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
た、それから籾山《もみやま》半三郎君が出資者となって赤坂の演技座に大劇場としての
仮普請をして、沢正の為に根城を拵《こしら》えてやったり、非常の景気であって、一代....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
も白い土の上をたどってゆくと、レストランコスモスという新しい料理店のまえに出た。
仮普請同様の新築で、裏手の方ではまだ職人が忙がしそうに働いている。一行はここの二....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
、江戸には凄まじい暴風雨が襲来して、震災後ようやく本普請の出来あがったもの、まだ
仮普請のままであるもの、それらの家々の屋根は大抵吹きめくられ、吹き飛ばされてしま....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
焼して、雪の下の町もまだ焼け跡の整理が届かないのであるが、江の島開帳を当て込みに
仮普請のままで商売を始めている店も多かった。 しかも仇を持っているような三人は....
「越後獅子」より 著者:羽志主水
》る音。有《あら》ゆる騒音の佃煮《つくだに》。 所謂《いわゆる》バラック建ての
仮普請《かりぶしん》が、如何《いか》に火の廻りが早いものか、一寸《ちょっと》想像....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
大音寺は昭和の今日でも、お酉様《とりさま》の鳥居と筋向いになって、もとの処に
仮普請《かりぶしん》の堂を留《とど》めているが、しかし周囲の光景があまりに甚しく....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
鎮めようとする者、騒ぎは輪を拡げて大きくなった。もとより芝居小屋の建物は俄作りの
仮普請で、その騒動を持ち堪え切れる筈はなく、二階から先にずり落ちた。佐兵衛の娘は....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
十一日、浅草区馬道八丁目より出火して、中村座も村山座も類焼す。 ○四月、新富座の
仮普請|出来して開場。俳優菊五郎、左団次、仲蔵、半四郎、芝翫の一座にて、大阪より....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
がこの婆さんは子なしであった。家も建てかえたと見えて、大きな屋敷にやや不似合な、
仮普請のような小屋になっている。夫婦養子をしたが夫婦とも出稼ぎに行ってしまった。....