仮構[語句情報] »
仮構
「仮構〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮構の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
れ等の人格の主我主義的な行状に立脚せる主我主義も、これらの人格自身と全く同様に、
仮構物であらざるを得ないという、反対の結論に到達する筈だったのだ」と(多少訳を変....
「科学論」より 著者:戸坂潤
理学などの主張によれば、感覚は心理的実在性を有った要素ではなくて、単に心理学者が
仮構によって造り出した心理要素に過ぎない。直接に与えられた心理的要素は感覚ではな....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
習なのであろうが、実地演習というものはそれが単なる演習であって単に教育日程の上で
仮構されたものに過ぎぬということを、実習教育される当人達が知っていなくては実習に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
夜。 福松の言う相当の顔役が言っていた、旦那衆もてなしの数寄《すき》をこらした
仮構《かりがまえ》に、庭も広いし、四辺《あたり》の気遣《きづか》いはなし。 そ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
― 『まァ竜宮などと申すものが実際この世にあるのでございますか。――あれは人間の
仮構事ではないでしょうか……。』 『決してそうではない。』とお爺さんは飽まで真面....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
も云うようにミンコーフスキーの世界空間は直観空間の内容規定の内に尽きない点に於て
仮構に過ぎぬと考えられるかも知れない。併し直観空間に対して
仮構であるものが総ての....
「空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
って与えられるのではないか、と。人々がこれを理由として吾々の概念――それは吾々が
仮構したものではなくしてただ吾々が日常生活に於て指摘した事実に外ならない――の困....
「『田舎教師』について」より 著者:田山花袋
書くもんですね」 こういう言葉も私の耳にはいった。 実際、中田の遊廓の一条は、
仮構であった。しかし、青年の一生としては、そうしたシーンが、形は違っても、どこか....
「『偶像再興』序言」より 著者:和辻哲郎
であるがゆえに死後の生があるわけはない。この事実から眼をそむけて神と死後の生とを
仮構するのは、現実をありのままに受容するに堪えない卑怯者の所作に過ぎぬ。――かく....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
話はあまり信用すべきものではあるまい。金光明経の印象によって僧侶の間にこのような
仮構談が作り出されたということもないとは限らない。吉祥天女が仏の前に演説したとこ....
「所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
りではなくて、印象から距離をつくることであり、印象を直ちに疑うことであり、印象を
仮構的に破壊することであり、印象をつきはなすことである。それがなければ印象は、少....