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「仮橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
る際《さい》などに、老人は急に彼を夢の裡《うち》から叩《たた》き起した。 「まだ仮橋《かりばし》のままでやってるんだから、呑気《のんき》なものさね。御覧なさい、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の三月から修繕工事に取りかかることになって、橋の南寄り即ち大川の下流《しもて》に仮橋が作られていた。その仮橋から何者かが飛び込んだらしいのである。 夜は暗く、....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
た。(大正十二年十一月、渋柿) * 震災後の十月十五日に酒匂川の仮橋を渡った。 川の岸辺にも川床にも、数限りもない流木が散らばり、引っかかって....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
投函に往った。軟らかな砂地に下駄を踏み込んで、葦やさま/″\の水草の茂った入江の仮橋を渡って行く。やゝ色づいた樺、楢、イタヤ、などの梢から尖った頭の赭い駒が岳が....
寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
七 馬は、霜柱を、さくさく砕いて、白い鼻煙を、長く吹いていた。長田橋の仮橋の上へきた時 「半兵衛、待った、待った」 と、甚左衛門が、後方から、叫んだ....
廃墟から」より 著者:原民喜
私達は己斐《こい》に出ると、市電に乗替えた。市電は天満町まで通じていて、そこから仮橋を渡って向岸へ徒歩で連絡するのであった。この仮橋もやっと昨日あたりから通れる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いました。河原の中程にあった地蔵堂は引き上げられて、やや離れた竹藪《たけやぶ》と仮橋《かりばし》の間に置かれてあったが、その藪へも水はひたひたと寄せているのであ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、米友は、おもむろに馬を曳《ひ》いて、川原の中から、こちらの堤の上へのぼって、仮橋のある柳の大木のあるところまでやって来たのであります。が、そこで米友が、まず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 店を出ると名取川です。 四 田山白雲は、名取川の仮橋を渡りながら、今の岡っ引のことを思い返しました。 岡っ引の言うことには、仙....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、白昼も暗闇を包んだ釜ヶ淵なのである。 そのほとんど狼の食い散した白骨のごとき仮橋の上に、陰気な暗い提灯の一つ灯に、ぼやりぼやりと小按摩が蠢めいた。 思いが....
化鳥」より 著者:泉鏡花
あった。 今はただ広い世の中に母様と、やがて、私のものといったら、この番小屋と仮橋の他にはないが、その時分はこの橋ほどのものは、邸の庭の中の一ツの眺望に過ぎな....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
人となるとともに、村の女としての完全な資格を持つわけである。何でもない草原の上の仮橋から落ちて、気絶したり、死んだりする不貞操な女もあるという。これは、巫女が処....
提灯」より 著者:田中貢太郎
こそ、蚊にくい殺されるのだ、出発、出発」 と、云う調子で出発したのです。小さな仮橋がありますね。あれを渡って往くと山のむこうは松原で右の方は稲を植えた田圃でし....
人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
が、綾子は喫驚したような眼で彼の顔を見上げた。 流れの上に渡してある低い小さな仮橋から、きらきらと水に映る月の光を見て、宿の方へ帰っていった。 月を見るなら....
雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
渡る頃はまた雨になって河風に傘を取られそうであった。大きな丸太を針金で縛り合せた仮橋が生ま生ましく新しいのを見ると、前の橋が出水に流されてそのあとへ新造したばか....