仮病[語句情報] »
仮病
「仮病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮病の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
く微笑を続けようとしたが、その瞬間につと思い返して眉《まゆ》をひそめた。葉子には
仮病《けびょう》を続ける必要があったのをつい忘れようとしたのだった。それで、
「....
「風の便り」より 著者:太宰治
儘《まま》でいたい、けれどもその虫のよい考えがあまり目立っても具合いが悪いので、
仮病の如くやたらに顔をしかめて苦痛の表情よろしく、行きづまった、ぎりぎりに困惑し....
「芽生」より 著者:島崎藤村
専門ですから」 こう主人は気の毒がって言ってくれた。 丁度戸山には赤十字社の
仮病院が設けてある時であった。皆川医学士が、臨時の手伝いとして通っていると言って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ているあいだに、向うで男が出来てしまった。家へ帰ってもやっぱり橋場が恋しいので、
仮病《けびょう》をつかって熊が出るなんて騒いでいる。しかしその計略がうまく運ばな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出かけるくらいなら、今朝なぜ直ぐに出て行きなさらねえ」 と、半七はあざ笑った。「
仮病をつかって、家の二階にごろごろしていることはねえ。さっさと飛び起きて、草鞋を....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ゃろう寝ろ寝ろ。」 また夢に入って生体なし。 眼が覚めてみると、此処は師団の
仮病舎。枕頭には軍医や看護婦が居て、其外|彼得堡で有名な某国手がおれの傷を負った....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
いの使者殿が不思議なご病気になられたそうな」 「さよう不思議なご病気にな。一名|
仮病とも云われるそうな」「不面目病とも申されるそうな」「恥晒らし病とも申されるそ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
釈していたのである――もう少しも家から出かけないで、いっさいの招待を断わるために
仮病《けびょう》をつかってると、言ってやった。熱情のあまり、招かれた宮邸の夜会へ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。そして死が門口に姿を現わした。なんたる劇的皮肉ぞ! グラチアは幾年となく息子の
仮病に悩まされてきたので、実際彼が病気になってももうそれを信じなかった……。人の....
「夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
レの七ツ兄だった。彼の父のフル釜も病気と称して倅を代りに差し向けたが、取沙汰では
仮病であったと云われていた。使者のアナマロが一番おそく彼を迎えにでかけたので腹を....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
なかった。要するに、そんなものか、と城を降りたのである。 しかるに義龍の病気は
仮病であった。道三が山下へ降りたので、道三の兄に当る長井|隼人正が義龍の使者とな....
「退歩主義者」より 著者:坂口安吾
し子とチギリを結ぶということは不可能であるとキモに銘じたのである。 そこで彼は
仮病を使って一室にこもり、ウンチクを傾けてアチャラカの脚本を書いた。彼のウンチク....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
「だがしかし一人の男は顛癇病の患者だったのじゃないかね!」 「なあに、君、ありア
仮病さ、ワトソン君、なんだか専問家に僕のほうで教えるような形になって変だけれど、....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
おかげで、泣かされなかった町は一つだってあるまい。ほんとに病気なのかい、それとも
仮病かい。 ワーニャ 本物さ。(間) アーストロフ ばかに沈んでるじゃないか。教....