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仮親
「仮親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仮親の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
それは決して心配するな、時節が来ればきっと夫婦になる。蛇つかいの足を洗って相当の
仮親《かりおや》をこしらえて、仁科林之助の御新造《ごしんぞ》さまと呼ばせてみせる....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きりょう》も好し、気立ても悪くない者ですから、いっそ世間に知られないうちに相当の
仮親でもこしらえて、嫁の披露をしてしまった方が好いかも知れないなどと、親達も内々....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
千之丞はかねて千倉屋の娘に懸想していて、町人とはいえ相当の家柄の娘であるから、
仮親を作って自分の嫁に貰いたいというようなことを人伝てに申し込んで来たが、娘も親....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
て、お武家と商人とは縁組が出来ません、拠所なく縁組をいたす時は、其の身分に応じて
仮親を拵えますことで、商人と職人の間にも身分の分ちが立って居りました、殊に身柄の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
談は、その当人が進みましたものでござりまする」 「それは何よりのこと。この縁談の
仮親《かりおや》はどなたでござりまするな」 「
仮親と仰せられまするのは?」 「神....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
の奥では困るから、そこはそれ、そちのいつもの伝で、要領よく、魚屋なり灰買いなり、
仮親に立てて――。」 「糸重さまを、ね。糸重様なら、申し分ござんせんが、御身分を....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
清蔵は子を士籍に復せしむることを願っていたので、快く許諾した。そこで下野の宗家を
仮親にして、大田原|頼母家来|用人八十石渋江|官左衛門次男という名義で引き取った....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
歩みをとどめて笠を傾《かた》げてこちらを見る。 「お前様は――」 「ええ、お松の
仮親《かりおや》のわたくしでございます、さっきから待っておりました」 この武士....
「魔像」より 著者:林不忘
もないから、伊豆伍に頼まれるまま、部下の御家人で那見《なみ》市右衛門という老人を
仮親《かりおや》に立て、名を園絵と改めさせて、牛込築土《うしごめつくど》八|幡《....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
附こうなんて、第一身分が違いますでねえ」 「身分なんて、どうにでもなるもんだよ。
仮親さえ拵えればね」 「……ですが……私はとても、そんな出世の出来る者では御座い....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
」 「あれ、勿体ない。宿屋風情の娘が、御身分の御方様に……」 「いやいや、それは
仮親を立てる法もある。まァその様な事を申さずと、嫁入り支度に就て、もっとも打解け....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
……。尤もその女は気立ても悪くないものですから、いっそ世間に知れないうちに相当の
仮親をこしらえて、嫁の披露をしてしまった方がいいかも知れないなどと、親たちも内々....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
上がりの愛妾があって、これはまあ例外な処分ですまされていたらしい。だからその妾の
仮親の医師道有の孫道栄の時代になって迄、まだ祖父の頃に諸家から贈られた付け届け物....