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「仮設〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仮設の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
りました。ゲエルの説明するところによれば、河童《かっぱ》はいつも獺《かわうそ》を仮設敵にしているということです。しかも獺は河童に負けない軍備を具《そな》えている....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
動スルヲ認ム。危険救助取ハカラウベシ。貴局名如何」 相手「当方局名ナシ。日本人。仮設局ナリ。貴局名如何。貴局所在如何」 僕「当方局名JIZZ。所在東京市。実験局....
観画談」より 著者:幸田露伴
。夜具はいくらもある、綿は堅いがナ。馳走はせん、主客平等と思わっしゃい。蔵海、(仮設し置く)風呂は門前の弥平爺にいいつけての、明日から毎日立てさせろ。無銭ではわ....
骨董」より 著者:幸田露伴
重畳険危な骨董世界の有様を想見するに足りる談をちょっと示そう。但しいずれも自分が仮設したのでない、出処はあるのである。いわゆる「出」は判然しているので、御所望な....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
に基き、之を潤飾敷衍せしものにて、其人名等の世に知られざるは、憚る所あって故らに仮設せるに因るならん、読者以て如何とす。 明治二十四年十一月 春濤居士識 ....
比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
ば、少なくもここにABという一つの「鎖の輪」が、従来よりはやや科学的な根拠の上に仮設される。さすれば次には、前にAについて行なったと同様の方法を、今度はBについ....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
ら、われわれの社会的生活にどんな影響が生じるだろう。実行はむつかしいが、こういう仮設を前提として一つの思考実験を行なってみる事は、はなはだおもしろくもあり有益で....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
はないような気がするのである。この比較の当否は二段としても、試みにこういう考えを仮設してもう少し比較を進めてみたらどうなるか。 まず第一楽章六句はおのずから温....
古狢」より 著者:泉鏡花
」 と同伴の顔を見た時は、もうその市場の裡を半ば過ぎていた。まだ新しく、ほんの仮設らしい、通抜けで、ただ両側に店が並んだが、二三個処うつろに穴があいて、なぜか....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
、その行動らしさに拘らず観念的なイデオロギッシュなものなのだが、大衆の或る部分を仮設として引きつけたファッショ運動は、恰もこうした右翼小児病の資格におけるものに....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
だけがただ一つ残された。しかし分岐点にとどまっていた少数の工夫等は、すでに一たん仮設した軌条を剥がしてもはや元の状態に復帰させただろう。が、こちらは坑口を元通り....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
える権利を保留している(九五頁参照)。しかし氏は、このような仮定は現実を離れて、仮設的な平均を考えたものであることを、自ら認めている(九七頁)。私は現実に即しよ....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
なんかのやることで、裁判官のやるべきことではなかろう。普遍的な公理のようなものを仮設して、そこから一クリーニング氏の場合の結論をだすというのは、論戦の要領を心得....
(私はさきごろ)」より 著者:高村光太郎
初はやはり先人の遺した多くの伝統的映像に養われたものであろうし、結局それは一つの仮設の世界のものであり、伝説的存立としての仮象であるから、彼の自らつくる神なりク....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
停車場の新設地まで泥土を運搬して行った土工列車が、本線に沿うてわずかに敷設された仮設|軌道の上を徐行して来る。見ると渋を塗ったような頑丈な肌を、烈しい八月の日に....