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仰向け
「仰向け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仰向けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に、色が変わった。すると、相手もそのまま、力が抜けたのか、侍の上へ折り重なって、
仰向けにぐたりとなる――その時、始めて月の光にぬれながら、息も絶え絶えにあえいで....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
った。けれども又いつものように忽《たちま》ち陰欝《いんうつ》になって行った。彼は
仰向けになったまま、彼自身の呼吸を数えていた。それは丁度何ものかに「今だぞ」とせ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
りかい。」
「まだあるの。」
太郎はこう言って、糸鬢奴《いとびんやっこ》の頭を
仰向けながら自分もまた笑い出した。眼を細くして、白い歯を出して、小さな靨《えくぼ....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
がら、あっと云う間に、メリヤスの股引《ももひき》をはいた足を空《くう》へあげて、
仰向けに伝馬の中へ転げ落ちた。
橋の上の見物は、またどっと声をあげて哂った。
....
「影」より 著者:芥川竜之介
らず、靴《くつ》の踵《かかと》を机の縁《ふち》へ当てると、ほとんど輪転椅子の上に
仰向けになって、紙切小刀《かみきりこがたな》も使わずに封を切った。
「拝啓、貴下....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
く夜を煽《あお》ったと思うと、突然一人の若者が、取り乱した藁《わら》のまん中へ、
仰向けざまに転げ落ちた。
彼はさすがに胆《きも》を消して、うっかりあぐらを組ん....
「少年」より 著者:芥川竜之介
止したまま、保吉のまわりへ集まったらしい。「やあ、負傷した」と云うものもある。「
仰向けにおなりよ」と云うものもある。「おいらのせいじゃなあい」と云うものもある。....
「或る女」より 著者:有島武郎
臂《かたひじ》をついたまま横になっていた。そして入浴と酒とでほんのりほてった顔を
仰向けて、大きな目を夢のように見開いてじっと古藤を見た。その枕《まくら》もとには....
「或る女」より 著者:有島武郎
を思うまま延ばして、一晩ゆっくりと眠り通したその心地《ここち》よさは格別だった。
仰向けになって、寒からぬ程度に暖まった空気の中に両手を二の腕までむき出しにして、....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
私は顔を挙《あ》げて見た。産婆の膝許《ひざもと》には血の気のない嬰児《えいじ》が
仰向けに横たえられていた。産婆は毬《まり》でもつくようにその胸をはげしく敲《たた....
「星座」より 著者:有島武郎
その日も、明けがたまでは雨になるらしく見えた空が、爽《さわ》やかな秋の朝の光となっていた。
咳の出ない時は
仰向けに寝ているのがよかった。そうしたままで清逸《せいいち》は首だけを腰高窓の方....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
太陽のひかりを浴びたまま坐って動かず、灌木のような異様な髯の生えている紫色の顔を
仰向けて、熱湯のような日光の流れに身をひたしていた。 世間の人がまだ彼に言葉を....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
れども疲労は徐ろに僕の頭を曇らせはじめた。僕はとうとう机の前を離れ、ベッドの上へ
仰向けになった。それから四五十分間は眠ったらしかった。しかし又誰か僕の耳にこう云....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
壁の松も前に変らず、こうこうと枝を鳴らせています。が、杜子春はとうに息が絶えて、
仰向けにそこへ倒れていました。 杜子春の体は岩の上へ、
仰向けに倒れていましたが....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
よいソーセージを首飾りにしているように思われた。それから、すばらしい雄鶏さえも、
仰向けになって、添え料理の皿に横たわり、蹴爪を高く上げて、あたかも生きているあい....