仰向ける[語句情報] » 仰向ける

「仰向ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仰向けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
刻々」より 著者:宮本百合子
清水は、ふと気を換えるように、 「この詩を知っていますか」 と、イガグリ頭を仰向けるように眼を瞑《つぶ》り、節をつけて何かの漢詩を吟じた。古来孝子は親の、名....
猫車」より 著者:宮本百合子
と首をうなずけ、いかにも嬉しそうに声を出さずに笑顔になった。大きく口をあけ、顔を仰向けるようにして笑うのであったが、笑いの輝やいているのは瞳だけで、その口元は泣....
杉垣」より 著者:宮本百合子
か」 今度は峯子が子供をうけとると足どりは益々ゆるやかになり、慎一はすこし顔を仰向けるようにして心持よさそうに煙草の烟をはきながら歩いていたが、いきなり何の前....
道標」より 著者:宮本百合子
子を前へちょいと押し出しておいて、何か訴えるように云った。一人の少女が、少し顔を仰向けるようにして、コバルト色の青年に向って何か言いながら、賛成しないような身ぶ....
美しき月夜」より 著者:宮本百合子
と眼を見開きながら身を起して、 「好い月ね」 と云った。広い鍔の陰から、丸い顎を仰向けるようにして朗らかな天を仰だ眼を落すと、彼女は、ちょっと眉を顰《しか》める....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、玉屋鍵屋の声々がどっと起る。大河ぶちの桟敷を一ぱいに埋めた見物客がその顔を空へ仰向ける。顔の輪廓が暫くのあいだくっきりと照らし出される。天上の星屑の外に、人工....
私本太平記」より 著者:吉川英治
すると、遊女の一人が、褌の端をつかまえて、引っくり転す。法師は大ゲサに蛙腹を仰向ける。満座はとたんに、爆笑となって、高坏が仆れるやら、その隙に、目ざす妓を抱....