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仰臥
「仰臥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仰臥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の側の右隅には寝台があり、その上で兼常博士が、寝衣のまま四肢をややはだけ気味に、
仰臥している。 年のころは五十四、五で、ブリアン型の髭さえなければ、余程厳つい....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
は、あの頃全く思わざりしが……。 ◯臥床中読みたるもの、左の如し 一、子規著「
仰臥漫録」その他 二、寺田(寅彦)先生「地球物理学」 三、Minute My....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
傷にして、算哲は室の中央にてその束を固く握り締め、扉を足に頭を奥の帷幕に向けて、
仰臥の姿勢にて横たわれり。相貌には、やや悲痛味を帯ぶと思われる痴呆状の弛緩を呈し....
「臨終まで」より 著者:梶井久
ましたが、やがて「解りました。悟りました。私も男です。死ぬなら立派に死にます」と
仰臥した胸の上で合掌しました。其儘暫く瞑目していましたが、さすが眼の内に涙が見え....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、船は光の中へはいった。 蒼褪めた顔、落ち窪んだ眼、血にまみれた腕や足、船底に
仰臥した庄三郎の姿は、呼吸のある人間とは見えなかった。このまま彼は死ぬのかも知れ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
どこへいったか、影も形もないのである。 「ああ、――」 私は、ハンドルを握って
仰臥《ぎょうが》したまま、長大息した。 どうしたのであろう、わがクロクロ島よ。....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
ても虫の飛込む悩みもないので、窓も一つ開けたまま、小松原は、昼間はその上へ患者を
仰臥かせて、内の国手が聴診器を当てようという、寝台の上。ますます妙なのは蚤の憂更....
「眉の記」より 著者:上村松園
をうけたあとの病人を見舞ったことがあるが、その人はもちろん目を閉じたままベッドに
仰臥していたが、麻酔がもどるにつれて、その苦痛を双の眉の痙攣に現わして堪えしのん....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ヲシタタメルニモヒラガナトイウモノヲ使ツタコトガナイ、ソレハナゼカトイウニ、我々
仰臥シタママデモノヲ書クモノニトツテハ些細ナ力ノ消費モ大キナ問題トナル。シカルニ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
とになれば、紋也のほうがいちじるしかった。燭台の燈火を横から受けて、しとねの上に
仰臥して、その上へ絹夜具を引きかけて、咽喉と顔とを夜具の襟から出して、静まってい....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
門さして流れ下る。小舟の中にはヨハナーンの姉、白衣に包まれ白き百合の花に飾られて
仰臥す。眼は見開けども瞳定まらず、ただ仄明るき空を見るのみ。空には小さき月ありて....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
は藁で縛って、真綿で辮髪をまでつけて、もとの姿勢に作るとあってみれば、我において
仰臥の形にそれを並べたと解しても、一向不思議はないのである。 事実上我が古墳の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
マ宗の寺院はこれに反し、堂内別にヤソ処刑の礼壇を設け、その前に十字架上のヤソ像を
仰臥せしめ、参詣のものをして代わり代わりひざまずき進みて、その像の手足胸腹を口吻....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、すべては雲なのである。日がしずんで南の大海は、空もようやくはれて、船のベッドに
仰臥して星もようをかぞえたのだった。) 夜に入り、シナ東南に当たりてタイアン灯....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ち、もがき、必死に狙い窺い、匍いあがり、 また噛み合い、飛び越え、 動顛し、
仰臥し、 乗しかかり、 と、 灰黒色の大きな鰭。 殺った、 あ、ブラボ....