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仲仕
「仲仕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仲仕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
僅か十六銭で、下寺町の坂で立ちん坊をして荷車の後押しをしたのを振出しに、土方、沖
仲仕、飯屋の下廻り、板場、夜泣きうどん屋、関東煮の屋台などさまざまな商売を経て、....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ゃ誘ってくれりゃいいものをサ」 「ところがブラブラしていたとはいいながら、波止場
仲仕をやっていたんだぜ」 「波止場
仲仕を、か?」 私は直ぐ帆村の意図が呑みこめ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
て、広東が支那の労働運動の中心になろうとしていたのだ。その後、香港で起った船員や
仲仕の大罷工には、これらの無政府主義者がその背後にいたのだった。 上海で無政府....
「火薬船」より 著者:海野十三
にかけまわりもした。雑草園の饗宴のどよめきに気がついて、ふるまい酒にさわいでいる
仲仕や船員たちの間をかきわけて、ハルクのすがたをさがしもとめてもみた。路傍のねこ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
桟橋からはしりさった。 あまりスピードを出したものだから、桟橋ではたらいていた
仲仕が、びっくりして身体をかわした。そしていうことに、 「ああ、らんぼうな奴だ。....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
いてみると身近には彼と同じように、奇蹟的に一命を助かったらしい四、五人の税関吏や
仲仕の姿が目にうつった。彼等はまるで魂を奪われた人間のように、崩れた倉庫跡に向き....
「古狢」より 著者:泉鏡花
て後の方で。……威勢がいい。それでいて、腰の矢立はここのも同じだが、紺の鯉口に、
仲仕とかのするような広い前掛を捲いて、お花見|手拭のように新しいのを頸に掛けた処....
「馬地獄」より 著者:織田作之助
は、蹄がすべる。いきなり、四つ肢をばたばたさせる。おむつをきらう赤ん坊のようだ。
仲仕が鞭でしばく。起きあがろうとする馬のもがきはいたましい。毛並に疲労の色が濃い....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
たしたちは伏見に着きました。それから船で淀川を下り、夕刻大坂の八|軒屋に着き、上
仲仕の幸助という男の家へ、ひとまず宿をとりました。わたしたちが大坂におりましたの....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
場内はざわつき出し、つきものの押し合いが初まり出した。それをやりに来る若い衆や沖
仲仕などもあるのだ。 「国堅め」と言って東、西、南、北、中央の五人を象る五人が五....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
九番目の末子として、彼川那子丹造が生れた頃は、赤貧洗うが如きであった。 新助は
仲仕を働き、丹造もまた物心つくといきなり父の挽く荷車の後押しをさせられたが、新助....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
かげで、立派に押えの利いた甲張りになっている。そのほか駅の構内で怒鳴りまわる貨物
仲仕の声、魚市場の問屋のセリ声、物売の声、下足番の声、又は狂い飛ぶ火花と、轟々た....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。大方そこで一拝に及んだのであろう。雪代の手から、私が茶を受け取った時であった。
仲仕切の暖簾に、人影が、そぼ降る雨に陰気に映すと、そこへ、額の抜上った、見上皺を....
「俗臭」より 著者:織田作之助
衛門橋で会った花子のことを悲しく想い出しながら一夜を明し、夜が明けると、川口の沖
仲仕に雇われた。紀州沖はどこかと海の彼方をじっと見つめては歯をくいしばり、黙々と....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
だ立ちつくすばかりだった。ひんぱんな出船、入船、かけ声をかけながらせわしく立働く
仲仕たちを、私はうつろな目でながめていた。 『貞やん、はよゆこか……』 和助さ....