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「仲裁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仲裁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
云うお鈴の前に文太郎と一しょに涙を流し、平あやまりにあやまる外はなかった。その又仲裁役を勤めるものは必ず看護婦の甲野だった。甲野は顔を赤めたお鈴を一生懸命に押し....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
引分けた時は、佐藤は何所《どこ》かしたたか傷を負って死んだように青くなっていた。仲裁したものはかかり合いからやむなく、仁右衛門に付添って話をつけるために佐藤の小....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
言った。 余人《よじん》ならばともかくも、日頃から兄の悪友と睨んでいる半九郎の仲裁を、源三郎は素直に承知する筈はなかった。現に先月の十三夜にも、半九郎はきっと....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
である。 某の家では親が婿を追い出したら、娘は婿について家を出てしまった、人が仲裁して親はかえすというに今度は婿の方で帰らぬというとか、某の娘は他国から稼ぎに....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いが馬鹿なんですから、ね」吉弥は横を向いた。 「一体どうしたわけなの?」僕の妻は仲裁的に口を出した。 「くれたもんを取り返しに来たの」 「あまりだますから、おこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。その席上で神崎と茂原とが酒の上から口論をはじめたのを、梶井と高島とがともかくも仲裁してその場は無事に納まったが、神崎はやはり面白くないと見えて、すぐに帰ると云....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
段に相違ないと、一行はそれを訴え出ようといきまいたのを、土地の人びとがいろいろに仲裁し、馬夫の死に対して百金を差し出すことで落着、宿の主人は罪を免かれた。 道....
金属人間」より 著者:海野十三
って投げつける。 蜂矢探偵は、このすごい闘いの外にあった。かれはしばし迷った。仲裁《ちゅうさい》すべきであろうか、それとも針目博士に味方すべきであろうかと。 ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
白壁の上に一組の藍色の虹形を映出した。 「いいよ。いいよ」見ていた人達はおおかた仲裁する積りで言ったのであろう。 「よし、よし」見ている人達は、仲裁するのか、ほ....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
い人ですから、怒っている親方をなだめて無事に済ませたんです。怒る筈の主人が却って仲裁役になったんですから、親方も勘弁するのほかはありません。親方は西山を老主人夫....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
月二十八日の「タイムス」に転載された。英王ウイリアム四世も棄てて置けなくなって、仲裁にはいられ、十二月二十四日にファラデーは三百ポンドの年金を受けることになった....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
きます。その代わり、こんどこそはなぐられてばかりいないわ。 瀬古 夫婦|喧嘩の仲裁なら僕がしてやるよ。 戸部 よけいな世話だ。 とも子 (同時)よけいなお世....
昔のことなど」より 著者:上村松園
が揃わぬのはいかぬというので、高谷簡堂などという楳嶺先生と親しい方が間に入られて仲裁なさったので、丁度その時お揃いで御挨拶に来ていられた所だったのでした。(明治....
二階から」より 著者:岡本綺堂
ら、両親の心も和らいだ。子まで生したものを今更どうすることも能まいという兄たちの仲裁説も出た。結局彼女を呼び戻して、男に添わして遣ろうということになった。そう決....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
来ない事もなかろうが、圧迫が進んで侮辱となり侵略となったらドウする。国際公法だの仲裁条約だのというはまさかの時には何の役にも立たない空理空文である。欧洲列強間の....