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仲見世
「仲見世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仲見世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
之助がさっき馬道《うまみち》まで使いに出て、そのついでに観音さまへ参詣にゆくと、
仲見世で栄之丞にぱったり出逢った。むこうは笠を傾けて挨拶もせずに行き過ぎたが、た....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
王門、門のなかに観音境内の遠見《とおみ》、よきところに銀杏の立木、すべて浅草公園
仲見世の体《てい》よろしく、六区の観世物の鳴物にて幕あく。――と、上手《かみて》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うか」 「ちげえねえ。九月に帷子を着てふるえているか」 二人は笑いながら浅草の
仲見世の方へ来かかると、そこらの店から大勢の人がばらばら駈け出した。往来の人達も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くくっていた鍋久の一行は、今更のように信心者の多いのに驚かされながら、ともかくも
仲見世から仁王門をくぐると、ここは又一層の混雑で、鳩が餌を拾う余地もなかった。 ....
「妖術」より 著者:泉鏡花
。 どさどさ打まけるように雪崩れて総立ちに電車を出る、乗合のあわただしさより、
仲見世は、どっと音のするばかり、一面の薄墨へ、色を飛ばした男女の姿。 風立つ中....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
んな焼けたという。御徒町から両国が見えるともいうし、厩橋まで何にもないともいう。
仲見世の東側、松屋のところまでがなくなったともいう。 これがみな、去る二月二十....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
」 もう日暮れ時だった。 二人は吾妻橋を渡って、浅草公園の中に入っていった。
仲見世はすっかり焼け落ちて、灰かきもまだ進まず、殆んど全部がそのままになっていた....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
この発奮に、 「乗るものか。」 濡れるなら濡れろ、で、奮然として駈出したが。
仲見世から本堂までは、もう人気もなく、雨は勝手に降って音も寂寞としたその中を、一....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
は上方風にベッタ人形といっているが、ベタン人形と同じものですよ。それからこの間|
仲見世で、長方形の木箱の蓋が、半ば引開になって、蓋の上には鼠がいて、開けると猫が....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
きり降り、やがて芸当が一段落となった。その時目立って美しい娘が供の女中を一人連れ
仲見世の方からやって来たが、大道芸人の顔を見るとにわかに足を急がせた。その様子が....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
色の蒼い小男の後をついて行ったのですよ。すると、その男は観音様の境内へ入って、今
仲見世のある辺にあった、水茶屋へ入るじゃないか。私も何気ない風をして、その男の前....
「我楽多玩具」より 著者:岡本綺堂
長刀、刀、鉄砲、兜、軍配団扇のたぐいが勢力を占めていました。私は九歳の時に浅草の
仲見世で諏訪法性の兜を買ってもらいましたが、錣の毛は白い麻で作られて、私がそれを....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
こへでも行ってごまかせ、行きさえすれァそれで気がすむんだ。……ということになって
仲見世までまた引っ返した。――それがいけなかった。」 「…………」 「手ッとり早....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
も通らず、両側町だからなお更綺麗でもあるしにぎやかでもあるんだね。ちょっと浅草の
仲見世みたいに』とかれはいった。 『そう、それもある。それにも一つ、ここでは人通....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
のである。そうして伝法院の横の往来――その「区役所横町」の出はずれによこたわって
仲見世と公園とを結びつけているむかしながらの狭い通りを「でんぼいん横町」(「でん....