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任国
「任国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
任国の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
の秋の除目《じもく》に正道は丹後の国守にせられた。これは遙授《ようじゅ》の官で、
任国には自分で往かずに、掾《じよう》をおいて治めさせるのである。しかし国守は最初....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
義の行動ではなかった。道徳的責任を十分に問われるべき立場にある。日本が戦争侵略責
任国として国際的処罰を受けるのは避け難いことである。それというのは、第一次ヨーロ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いう系図が現われて、信濃の中将になり、甲斐、信濃の両国を賜わり、この女房を具して
任国へ下り、一門広大、子孫繁昌というめでたさ。 この物臭太郎がすなわち穂高の明....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
た。 それからまた数日の後だった。今度伊勢守になられた私の父は、また近いうちに
任国へお下りにならなければならなかった。それでしばらくでも御一緒に暮らしたいと思....
「姨捨」より 著者:堀辰雄
女《むすめ》はいつか二十になっていた。女はこん度は母と共に京に居残って、父だけが
任国に下ることになった。「ことによると、もうお前達にも逢えないかも知れない」――....
「源氏物語」より 著者:紫式部
病気をしていることを聞いた時にはさすがに歎《なげ》かれた。それに良人《おっと》の
任国へ伴われる日が近づいてくるのも心細くて、自分を忘れておしまいになったかと試み....
「源氏物語」より 著者:紫式部
すこともきまり悪くなりまして下がったのですが、それからのちに陸奥守の家内になって
任国へ行っておりまして、上京しました時に、姫君は無事に御成長なさいましたとこちら....
「源氏物語」より 著者:紫式部
めしさも慰められます」 そのあとで常陸さんはあちらこちらと伴われて行った良人の
任国の話をし、陸奥の浮嶋の身にしむ景色なども聞かせた。 「あの『わが身一つのうき....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
であった。 しかし毛利家の「毛利系図」の上では、相模愛甲郡時代の季光や、越後に
任国していた頃の経光などは祖流に加えず、河内のおくへ隠遁した――つまり正成の住居....