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伊万里
「伊万里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伊万里の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
あの瀬戸物はどこで出来るんだと博物の教師に聞いたら、あれは瀬戸物じゃありません、
伊万里《いまり》ですと云った。
伊万里だって瀬戸物じゃないかと、云ったら、博物はえ....
「一夜」より 著者:夏目漱石
は首と首を合せて何かささやき合えるようであったが、このたびは女の方へは向わず、古
伊万里《こいまり》の菓子皿を端《はじ》まで同行して、ここで右と左へ分れる。三人の....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
た千六は巧みに役人の眼を眩まして荷物を陸揚して、数十頭の駄馬に負わせた。陸路から
伊万里、嬉野を抜ける山道づたいに辛苦艱難をして長崎に這入ると、すぐに仲間の抜荷買....
「太郎坊」より 著者:幸田露伴
あどうなすったのです、今日に限って男らしくも無いじゃありませんか。いつぞやお鍋が
伊万里の刺身皿の箱を落して、十人前ちゃんと揃っていたものを、毀したり傷物にしたり....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
の火で、一服つけた。そして、
「いえね、あした早く発《た》って、旦那といっしょに
伊万里《いまり》のほうへ年例の仕込みにゆきますからね、ちょっとこの前を通ったつい....
「日記」より 著者:宮本百合子
そうだけれども随分皮肉な人らしい。あのあごの山羊髭が皮肉なのだ。柿右衛門鍋島、古
伊万里は好い、が九谷はどこと云うことなしに俗なものだ。夜 parents の間に....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
の加賀の国とを合せ、今は石川県を成します。加賀第一の名物は「九谷焼」であります。
伊万里焼と相並んで日本の磁器の双璧であります。藍絵の染附もありますが、特に赤絵で....
「増長天王」より 著者:吉川英治
揉め、足を」 久米一はすぐにゴロリとなって、前の若い女達を呼んだ。その女達は、
伊万里赤絵町から、かわるがわる四、五人ずつ呼んでおく港の遊女で、朱塗の駕が山峡を....
「九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
骨董家めくので、極《ごく》簡単に書くと、日本で芸術品としての陶器が出来出した頃、
伊万里焼《いまりやき》を倣《なら》って後藤才次郎《ごとうさいじろう》という人が、....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
なばし 九州には、またこんな昔話のような伝説が残っております。昔肥前の松浦領と
伊万里領と、領分境をきめようとした時に、松浦の波多三河守は、
伊万里|兵部大夫と約....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
の中にぴかぴかと陽を反射している皿、茶わんのかけらである。白い地に色あざやかに古
伊万里の赤絵がそのまま浮かんでいるのも痛々しい。九谷の盛りばちがピシリ二つに割れ....