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「伊勢参り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伊勢参りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
として古風に杉の玉を軒に吊っている家が、まだ一軒石部の宿に残っていることやら、お伊勢参りの風俗や道中唄なら関の宿の古老に頼めば知っていて教えて呉れることだの、主....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。恵那山の谷の雪が溶けはじめた季節を迎えて、山麓にある馬籠の宿場も活気づいた。伊勢参りは出発する。中津川商人はやって来る。宿々村々の人たちの往来、無尽の相談、....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
足も出ないし、江戸人は、江戸の内で一生暮らしているし、もし他国へ出るなら、それは伊勢参りと、善光寺参りとが人生の二大旅行であった頃なら、そうした「概念的贅六」の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》の心得をいって聞かせ、今や、その旅行の日程に苦心中であるが、東海道筋は先年、伊勢参りの時に往復しているから、今度はひとつ趣を変えて、甲州街道を取ろうか、或い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました」 「つい百姓の方が忙がしいもんでございますから。それに、骨休めを兼ねてお伊勢参りをして来たものでございますから。これはわざっとお土産《みやげ》の印《しる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
先生のお蔭で命を取留めたのでありました。その道庵先生が一僕を召連れて、ほくほくと伊勢参りなんぞと洒落《しゃれ》込んだのであります。 「仙公、今夜どこへ泊るべえな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
西来院《さいらいいん》にあって、そうしてこの浜松の城下はお絹の故郷でありました。伊勢参りから帰り、お絹はそのお墓参りをしてここに逗留《とうりゅう》することも久し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りでなく、迎えに出た道庵もまた驚きました。お松にとっては道庵は再生の恩人であり、伊勢参りをした時に大湊《おおみなと》で会って奇遇を喜んだこともありました。これは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れを見てやっていただけますまいか。まず、あれを一緒に連れ出して、名古屋見物から、伊勢参り、京大阪、四国九州、お前さんとならば唐天竺《からてんじく》でもどこでもい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
遊楽の気分を持って行くのである。そこに日本人が神を慕う特殊の心情と行動とがある。伊勢参りの憧れは、すべての日本人にとって明るい。 けれどもお銀様は、その日本人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
子ゆえ、咳《せき》ばらいをしたら、その人が、そこに寝ているは何だと言いおるから、伊勢参りだと言ったら、おれはこの先の宿へばくちに行くが、この銭を手前かついで行け....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の人は虫の息です。道庵は、よくそんなところへ出会《でっくわ》せる男で、いつぞやも伊勢参りをした時に、やはり、こんなような鉢合せから始まって、宇治山田の米友という....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に小金ヶ原まで乗込もうということに相談がきまりました。 翌朝、道庵は、いつぞや伊勢参りに連れて行った仙公というのを一人だけ引具《ひきぐ》して、山下に待ち合わせ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
か、そうでなければ木曾路へ出て、ゆるゆると故郷の上野原方面へ帰ることを、若い時、伊勢参りの思い出から、子供のように喜んで、お雪に語り聞かせているのです。その間に....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ったものになっていたであろう。初めの奉公先を飛び出した十五のころ、汽車賃が足らず伊勢参りをやめて横浜へ流れたとき、木曜島に売り飛ばされる寸前、香港で阪大佐太郎に....