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「伊吹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伊吹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
迷う 今年の二月、ずっと以前からあこがれていた近江の金糞ヶ岳へ登ろうと思って、伊吹山の西麓をまき伊吹や東草野の村を伝って歩きました。今年は近年にない大雪が降っ....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
朝倉対徳川戦 姉川は、琵琶湖の東北、近江の北境に在る金糞岳に発した梓川が伊吹山の西に至って西に折れて流るる辺りを姉川と称する。尚西流して長浜の北で湖水へ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。 「昔々近江の国、琵琶湖の岸の朝妻に、白拍子が住んでおりました。『おぼつかな伊吹おろしの風さきに朝妻船のあひやしぬらん』可哀そうな歌を詠みました。それをお公....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
はこんな峠の上ですから、隣の国まで見えます。どうかするとお天気のよい日には、遠い伊吹山まで見えることがありますよ――」 林も深く谷も深い方に住み慣れたお民は、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たかがわかる。大津の宿から五十四里の余も離れ、天気のよい日には遠くかすかに近江の伊吹山の望まれる馬籠峠の上までやって来て、いかにあの関東方がホッと息をついて行っ....
」より 著者:島崎藤村
梢、その向こうには春深く霞んだ美濃の平野が遠く見渡される。天気のいい日には近江の伊吹山までかすかに見えるということを私は幼年のころに自分の父からよく聞かされたも....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
受媛のおうちへおとまりになりました。そして草薙の宝剣を媛におあずけになって近江の伊吹山の、山の神を征伐においでになりました。 命はこの山の神ぐらいは、す手でも....
伊吹山の句について」より 著者:寺田寅彦
昨年三月の「潮音」に出ている芭蕉俳句研究第二十四回の筆記中に 千川亭 おりおりに伊吹を見てや冬ごもり という句について、この山の地勢や気象状態などが問題になって....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
た山ばかりで、どれが主家の陣地を構へた天満山やら、それすらもしかと分らない。たゞ伊吹山は静寂な姿を横へ、敗残の身を山中にさまよふドン・アゴスチノ行長を思へば千丈....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いう目的は、実はその温泉が目当てのようだ。 ここに思いだされるのは、日本武尊が伊吹山で気を失って死にかけたとき、清水をのんだら、いったん目がさめたという。それ....
わが文学修業」より 著者:織田作之助
しいように思われた。高等学校時代のことである。 高等学校は三高、山本修二先生、伊吹武彦先生など劇に関係のある先生がいて、一緒に脚本朗読会をやって変な声をだして....
私の文学」より 著者:織田作之助
も知れない。 私がこれまで耳にした私に関する批評の中で、一番どきんとしたのは、伊吹武彦氏の、 「ええか、織田君、君に一つだけ言うぞ、君は君を模倣するなってこと....
乳を刺す」より 著者:邦枝完二
の。きっと将軍のお成りが、遅れているんでしょうよ」 梅窓院の近くにある薬種問屋伊吹屋源兵衛の家では、大奥に奉公に上がっている娘の由利が、今夜は特に宿退りを頂け....
空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
漢内飛行場ですね。坂君、そう考えないかい」 「そうだろう、そうに違いない。あれは伊吹山の山麓に、新しく出来た飛行場だったな」 私は、送話器を通じて答えた。清川....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
と呼ばれた古えの河原者・浄人の徒と同じ仲間と解せられる。『宇治拾遺物語』十三に、伊吹山に籠って念仏を行じた聖の坊の下司法師原というのがあるのも、やはりこの類のも....