伊豆石[語句情報] » 伊豆石

「伊豆石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伊豆石の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
る。その真綿の間から、青々とした稗の芽が出ている。隅田川はその座敷からも見えた。伊豆石を積重ねた物揚場を隔てて、初夏の水が流れていた。 「そう、三吉叔父さんがい....
旅愁」より 著者:横光利一
これらが織部の小皿に並んでいる。手釣りの黒鯛を沖で叩いて締めた刺身、つづいて丸い伊豆石を敷いた大鉢の中には鮎が見えた。しかし、一同の客たちには、これらの懐石料理....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
竹桃を実見した。ところは沼津の志下で、そこに某侯爵の別荘があった。引きめぐらした伊豆石の塀の上に幾株かの夾竹桃が被さって、その梢を茂らせていた。淡紅色で重弁の花....
おせん」より 著者:邦枝完二
珍しくなかった。 「はいお早う」 「ああ喉がかわいた」 赤い鳥居の手前にある。伊豆石の御手洗で洗った手を、拭くのを忘れた橘屋の若旦那徳太郎が、お稲荷様への参詣....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
角形の板をならべた台のうえに罪人を坐らせて、その膝のうえに石の板を積むので、石は伊豆石にかぎられ、長さ三尺、厚さ三寸、目方は一枚十三貫である。吉五郎はその石五枚....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
造作もないこった」 「じゃあ、江戸城の中の」 大蔵は海を見まわした。 材木や伊豆石や、城普請の用材をつんだ船が、誇張していえば、舳艫をつらねてといえるほど、....