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伎楽
「伎楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伎楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
ない人の顔のように見えて来たり、眼が疲れて来る故か、じーっと見ているうちに醜悪な
伎楽《ぎがく》の腫《は》れ面《おもて》という面そっくりに見えて来たりする。さーっ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
くじょう》ならば、その輪廓がまだまだ人並ですが、さあなんと云おうか、さしずめ古い
伎楽面の中でも探したなら、あのこの上ない醜さに、滑稽をかねたものがあると思います....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
やく成長して容華《すがた》雅麗《みやびやか》に、庠序《ぎょうぎ》超備《すぐれ》、
伎楽管絃備わらざるなく、もとより富家故出来得るだけの綺羅を飾らせたから、鮮明遍照....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
な仮面をかぶっている。その仮面は、ありふれた里神楽の仮面もあれば、極めて古雅なる
伎楽《ぎがく》の面《めん》に類したのもあるが、打見たところ、篝の周囲に集まるほど....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
ある。そういう工合なども僕にはなかなかありがたかった。…… それから次ぎの室で
伎楽面《ぎがくめん》などを見ながら待っていてくれたH君に追いついて、一しょに宝蔵....
「夢判断」より 著者:寺田寅彦
るかもしれないという気もするのである。 上記の夢を見てから一と月も後に博物館で
伎楽舞楽能楽の面の展覧会があって見に行った。陳列品の中に獅子舞の獅子の面が二点あ....
「雪の宿り」より 著者:神西清
が、言い合わせたように西へかしいでいるのでそれが分る。西向きの飛簷垂木は、まるで
伎楽の面のようなおどけた丸い鼻さきを、ぶらりと宙に垂れている。 うっかり転害門....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いるので御座います。そればかりではなく、現場には、この世にない香気が漂い、梵天の
伎楽が聴こえ、黄金の散華が一面に散り敷かれているのです。ああ法水様、申す迄もなく....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
後には朝廷の音楽の中に「臨邑楽」というものを付け加えられそして盛んに教えられ、
伎楽に代る舞楽全盛の時代となった。それが今日まで残っているのであります。こういう....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
た。「楊貴妃はじんぜうなるやせ容の人の如く想はるれど、天宝遺事に貴妃素有は唐代の
伎楽から来たものだという林氏の説ものっている。いかにも随筆らしくておもしろい。 ....
「能面の様式」より 著者:和辻哲郎
つの感想を述べたい。 今からもう十八年の昔になるが、自分は『古寺巡礼』のなかで
伎楽面の印象を語るに際して、「能の面は
伎楽面に比べれば比較にならぬほど浅ましい」....
「面とペルソナ」より 著者:和辻哲郎
に優れた発展を与えたものは、ほかならぬ日本人なのである。 昨秋|表慶館における
伎楽面、舞楽面、能面等の展観を見られた方は、日本の面にいかに多くの傑作があるかを....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
男女の見物をゆるし貧者に剰れる金を施し、十兵衛その他を犒らい賞する一方には、また
伎楽を奏して世に珍しき塔供養あるべきはずに支度とりどりなりし最中、夜半の鐘の音の....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
語っているものとして、注意すべき点である。私は、支那から渡来した獅子舞の目的は(
伎楽としての目的はしばらく別問題として)、葬儀に際して疎《ウト》び荒《アラ》び来....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
の寺院は、国際文化センターみたいな役割を持っていた。宗教だけでなく、学問、医術、
伎楽、散楽、美術工芸、みんな寺院を通って消化され、また寺院へ来て学び取ってゆく。....