伏して[語句情報] » 伏して

「伏して〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伏しての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
を前に立った、平六のまわりを囲んで、十五六人の盗人は、立つものは立ち、伏すものは伏して、いずれも皆、首をのばしながら、別人のように、やさしい微笑を含んで、この命....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
もうこうなっては侍たちも、ほかに仕方はございませんから、とうとう大臣様の前にひれ伏して、 「実は私《わたくし》たちが悪だくみで、あの髪長彦の助けた御姫様を、私た....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
不思議に、思わず太刀を落すや否や、頭《かしら》を抱えて右左へ、一たまりもなくひれ伏してしまいました。するとその頭《かしら》の空に、摩利信乃法師の罵る声が、またい....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
むしろ、時にはあの女に憎しみさえも感じている。殊に万事が完《おわ》ってから、泣き伏しているあの女を、無理に抱き起した時などは、袈裟は破廉恥《はれんち》の己よりも....
二人小町」より 著者:芥川竜之介
野の小町 どうしましょう? 玉造の小町 どうしましょう? 二人ともそこへ泣き伏してしまう。 (大正十二年二月)....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ると、すぐに斧を投げ捨てて、彼の憐《あわれみ》に訴《うった》うべく、床の上にひれ伏してしまった。 「おれは腹が減っているのだ。食事の仕度をしれい。」 彼は捉《....
或る女」より 著者:有島武郎
《しんじゅう》でもする人のような、恋に身をまかせる心安さにひたりながら小机に突っ伏してしまった。 やがて酔いつぶれた人のように頭《つむり》をもたげた時は、とう....
或る女」より 著者:有島武郎
、長火鉢《ながひばち》のかたわらの自分の座にすわると、貞世はその膝《ひざ》に突っ伏してすすり上げすすり上げ可憐《かれん》な背中に波を打たした。これほどまでに自分....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
度を肯定して、全然それに順応することが出来たとしても、それは女性が男性の嗜好に降伏して自分達自らを男性化し得たという結果になるに過ぎない。それは女性の独立ではな....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
のである。 過去数百年は白人の世界征服史であり今日、全世界が白人文明の下にひれ伏している。その最大原因は白人の獲得した優れた戦争力である。しかし戦争は断じて人....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
くさる、まだ間が無うて馴れぬからだ。こりゃ、」 と肩へむずと手を掛けると、ひれ伏して、雪女は溶けるように潸然と泣く。 十四 「陰気だ陰気だ、此奴....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ても同じことなのです。 いよいよ駄目と悟った時に、私はわれを忘れてその場に泣き伏して了いました……。 × × × ....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
した。もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに階の前へ、倒れ伏していたのです。 杜子春は必死になって、鉄冠子の言葉を思い出しながら、緊く眼....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
を出しながら小声に、『何だって、馬鹿に強いよ。』と言えば、死したる如く、水押に俯伏して動かざる船頭、 『左様でしょう。六年ですよ。此の調子では、また一寸には痿え....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 二月末高木清寿氏来訪、原稿をお貸ししたところ、執拗に出版を強要せられ遂に屈伏してしまった。そこで読み直して見ると前後重複するところもあり、補修すべき点も少....