伏す[語句情報] »
伏す
「伏す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伏すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
まつ》の火を前に立った、平六のまわりを囲んで、十五六人の盗人は、立つものは立ち、
伏すものは伏して、いずれも皆、首をのばしながら、別人のように、やさしい微笑を含ん....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
も高い高粱は、無二無三《むにむさん》に駈けてゆく馬に踏みしだかれて、波のように起
伏する。それが右からも左からも、あるいは彼の辮髪《べんぱつ》を掃《はら》ったり、....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
として、廟の中へ這いこんだ。両手を鼠の糞と埃《ほこり》との多い床の上について、平
伏するような形をしながら、首だけ上げて、下から道士の顔を眺めているのである。
....
「或る女」より 著者:有島武郎
しょうけれども……」
「そんな事はありませんねえ」
古藤は自分の経験から岡を説
伏するようにそういった。
「僕《ぼく》もその一人《ひとり》だが、鬼のような体格を....
「外科室」より 著者:泉鏡花
しげに、いとあどけなき微笑《えみ》を含みて高峰の手より手をはなし、ばったり、枕に
伏すとぞ見えし、脣《くちびる》の色変わりたり。 そのときの二人が状《さま》、あ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
お妙の顔を一目見ると、主税は物をも言わないで、そのままそこへ、膝を折って、畳に突
伏すがごとく会釈をすると、お妙も、黙って差置いた洋燈の台擦れに、肩を細うして指の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に導かれる。笞にはげまされて振い立つ私を見るのも、打撲に抵抗し切れなくなって倒れ
伏す私を見るのも、共に私が生きて行く上に、無くてはならぬものであるのを知る。その....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
礼拝するのに、炎熱に苦しめられている南種は同じく太陽を神聖視しながらも、夕日に跪
伏する。回教徒が夕日を礼拝するように仏教徒は夕日にあこがれ、西方に金色の寂光が降....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
囲に近づき、手を取らんと衝と腕を伸ばす。美女、崩るるがごとくに椅子をはずれ、床に
伏す。) 女房 どうなさいました、貴女、どうなさいました。 美女 (声細く、され....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。そうか、と云って、夜夜中、外へ遁出すことは思いも寄らず、で、がたがた震える、突
伏す、一人で寝てしまったのがあります、これが一番可いのです。坊様は口の裏で、頻に....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
底から節が抜けたものらしい。 はっと火のような呼吸を吐く、トタンに真俯向けに突
伏す時、長々と舌を吐いて、犬のように畳を嘗めた。 (先生、御病気か。) って私....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
かりの、真黒な男の児。一人はヤッシと艪柄を取って、丸裸の小腰を据え、圧すほどに突
伏すよう、引くほどに仰反るよう、ただそこばかり海が動いて、舳を揺り上げ、揺り下す....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
たり。「蘭の鉢を庭へ出せよ」と物柔らかに命じながら主公出で来られぬ。座を下りて平
伏すれば、「イヤ御遠慮あるな伯父ごとは莫逆の友なり、足下の事は書中にて承知致した....
「多神教」より 著者:泉鏡花
まい。(とろりと酔える目に、あなたに、階なるお沢の姿を見る。慌しくまうつむけに平
伏す)ははッ、大権現様、御免なされ下さりませ、御免なされ下さりませ。霊験な御姿に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
占領したなら空軍の優勢なドイツは英近海の海運に大打撃を与え、英国はそれだけでも屈
伏するだろうと考えていたが、今日までの結果を見ると飛行機による艦船の爆沈は潜水艦....