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伏する
「伏する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伏するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
も高い高粱は、無二無三《むにむさん》に駈けてゆく馬に踏みしだかれて、波のように起
伏する。それが右からも左からも、あるいは彼の辮髪《べんぱつ》を掃《はら》ったり、....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
として、廟の中へ這いこんだ。両手を鼠の糞と埃《ほこり》との多い床の上について、平
伏するような形をしながら、首だけ上げて、下から道士の顔を眺めているのである。
....
「或る女」より 著者:有島武郎
しょうけれども……」
「そんな事はありませんねえ」
古藤は自分の経験から岡を説
伏するようにそういった。
「僕《ぼく》もその一人《ひとり》だが、鬼のような体格を....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
などおめおめと待ってはいられまい。泰親にもその旨を申し含めて、早急にかれめを祈り
伏する手だてが肝要であろうぞ」 この点に就いては、信西も勿論、同意であった。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
という術《すべ》もあるが、大抵の人間はこの無言の責め苦に堪え切れないで、結局は屈
伏することになる。鉄造もこの拷問に堪えられなくなって来たらしく、手酌でむやみに飲....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
礼拝するのに、炎熱に苦しめられている南種は同じく太陽を神聖視しながらも、夕日に跪
伏する。回教徒が夕日を礼拝するように仏教徒は夕日にあこがれ、西方に金色の寂光が降....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
と、東京の中央部から下町へかけての一面の灯火の海が窓から見下ろせる。浪のように起
伏する灯の粒々やネオンの瞬きは、いま揺り覚まされた眼のように新鮮で活気を帯びてい....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
統治の方法が要求せられて来た。 すなわちもっともしばしば犯される行為の種頬を圧
伏するために、ある一般的規則を設けることが発明せられた。そしてこの方法のはなはだ....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
おそらく迷信家じゃああるまい。僕も迷信は断じて排斥する人間だ。その僕が迷信家に屈
伏するようになったのだ。僕は今でも迷信に反対しているのだが、それでも周囲のものど....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
酔っぱらっとったが、出て行く時は青鬼みたいに青うなっとったぜ。どうやら、日本は降
伏するらしい。明日の正午に、重大放送があるということだ」 「えっ? 降伏……? ....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
ロンドン市の北郊ハムステットの丘には春も秋もよく太陽が照り渡った。此の殆んど何里四方小丘の起
伏する自然公園は青く椀状にくねってロンドン市の北端を抱き取って居る。丘の表面には....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
理屈責にして、お久は頻にお菊の決心を促した。それでも彼女は素直にその道理の前に屈
伏することを躊躇した。まあ兎も角も明日まで待ってくれと、お菊は一寸逃れの返事をし....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
廃に帰した宮殿の長廊下など、その周囲の事情から壁や柱の色合などへかけて、彼等の潜
伏する場所として屈強の棲家だと点頭れるのだから、そういうような話の方面からも、こ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にパタゴニア州の平原の横たわるを望み、左岸にティエラ・デル・フエゴ州の小丘陵の起
伏するを見る。 船入布、知是波多伍若州。 (船はマゼラン海峡に入っても風はまだお....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
占領したなら空軍の優勢なドイツは英近海の海運に大打撃を与え、英国はそれだけでも屈
伏するだろうと考えていたが、今日までの結果を見ると飛行機による艦船の爆沈は潜水艦....