伏拝[語句情報] » 伏拝

「伏拝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伏拝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
い様に多分にお金を下すった事か、あゝー……私の為には神さま……」 と手を合せて伏拝み何所《どこ》の人だか知りませんから心の中《うち》で頻《しき》りと礼を云い、....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
失墜してしまったか。昔は一国の帝王が法王の寛恕を請うために、乞食の如くその膝下に伏拝した。又或る仏僧は皇帝の愚昧なる一言を聞くと、一拶を残したまま飄然として竹林....
近時政論考」より 著者:陸羯南
民論派の仏国圧制に反動して起こりたるがごときのみ。日本人民が欧州の文化に向かって伏拝したることはまさに欧州諸邦の人民が仏国の兵威に向かって伏拝したると同一般なり....
薬草取」より 著者:泉鏡花
を導くのである。 高坂は、悚然として思わず手を挙げ、かつて婦が我に為したる如く伏拝んで粛然とした。 その不意に立停ったのを、行悩んだと思ったらしい、花売は軽....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
延命、学問、学校、心願成就。」 と、手よりも濡れた瞳を閉じて、頸白く、御堂をば伏拝み、 「一口めしあがれ、……気を静めて――私も。」 と柄杓を重げに口にした....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
あし原をたちかぬれば、 この間に早瀬手を取る、お蔦振返る早瀬もともに、ふりかえり伏拝む。 さて行かんとして、お蔦|衝と一方に身を離す。 早瀬 どこへ行く。 お蔦....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
金銀珠玉の御殿とも、宮とも見えて、令室を一目見ると、唄の女神と思い祟めて、跪き、伏拝む。 長く冷たき黒髪は、玉の緒を揺る琴の糸の肩に懸って響くよう、互の口へ出....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
所へ、破戒坊主が、はい蹲ったという体で、可恐し可恐し、地蔵様の前に踞んで、こう、伏拝む形をして、密と視たんで。 先生は更めて、両手を卓子につき直して、 「――....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
たばかり、片扉は、鎧の袖の断れたように摺れ下っていたのだから。 「は、」 ただ伏拝むと、斜に差覗かせたまうお姿は、御丈八寸、雪なす卯の花に袖のひだが靡く。白木....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
華を競って咲いた。 ――白雪の階の下に、ただ一人、褄を折り緊め、跪いて、天女を伏拝む女がある。 すぐ傍に、空しき蘆簀張の掛茶屋が、埋れた谷の下伏せの孤屋に似....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、可い心持じゃないか。お小姓の難有さ、神とも仏ともただもう手を合せて、その武士を伏拝んだと思うと、我に返ったという。 それから熱が醒めて、あの濡紙を剥ぐように....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
まする。 誰のお庇だ、これも兄者人の御守護のせい何ぞ恩返しを、と神様あつかい、伏拝みましてね、」 と婆さんは掌を合せて見せ、 「一年、やっぱりその五月雨の晩....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
の山を、雪の山を、ね、貴方、お月様の御堂を的に、氷に辷り、雪を抱いて来なすって、伏拝んだ御堂から――もう高低はありません、一面|白妙なんですから。(今戻ったぞ、....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
、アウエリヤヌイチはその友をまずイウエルスカヤ小聖堂に伴れ行き、そこで彼は熱心に伏拝して涙を流して祈祷する、そうして立上り、深く溜息して云うには。 『たとい信じ....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
。その自然の態度を見入って居た女は何を感じたか、ほろほろと涙をこぼし掌を合せ僧を伏拝むのだった。違った店の気配に楼主その他も出て来て事情を聴き、何やかや持出して....