伏拝む[語句情報] » 伏拝む

「伏拝む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伏拝むの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
あし原をたちかぬれば、 この間に早瀬手を取る、お蔦振返る早瀬もともに、ふりかえり伏拝む。 さて行かんとして、お蔦|衝と一方に身を離す。 早瀬 どこへ行く。 お蔦....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
金銀珠玉の御殿とも、宮とも見えて、令室を一目見ると、唄の女神と思い祟めて、跪き、伏拝む。 長く冷たき黒髪は、玉の緒を揺る琴の糸の肩に懸って響くよう、互の口へ出....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
所へ、破戒坊主が、はい蹲ったという体で、可恐し可恐し、地蔵様の前に踞んで、こう、伏拝む形をして、密と視たんで。 先生は更めて、両手を卓子につき直して、 「――....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
たばかり、片扉は、鎧の袖の断れたように摺れ下っていたのだから。 「は、」 ただ伏拝むと、斜に差覗かせたまうお姿は、御丈八寸、雪なす卯の花に袖のひだが靡く。白木....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
華を競って咲いた。 ――白雪の階の下に、ただ一人、褄を折り緊め、跪いて、天女を伏拝む女がある。 すぐ傍に、空しき蘆簀張の掛茶屋が、埋れた谷の下伏せの孤屋に似....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
。その自然の態度を見入って居た女は何を感じたか、ほろほろと涙をこぼし掌を合せ僧を伏拝むのだった。違った店の気配に楼主その他も出て来て事情を聴き、何やかや持出して....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そして、少し身を擡げ、粥を煮る米を洗って七厘へ仕掛けているばばの姿をそこから伏拝むように、 「ばば様、あなたこそ、先頃からお風邪ぎみではございませんか。――....