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伏線
「伏線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伏線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
笑った萱野さんの、にっくき嘘、そんな端々にまで、私の燃ゆる瞳の火を消そうと警戒の
伏線、私はそれを悲しく思った。その夜、花の都、ネオンの森とやらの、その樹樹のまわ....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
なり、従って宗教が罪を犯す事もなくなる。こう言って後に論ぜんとする霊魂非不滅論の
伏線をおいている。わずかにこれだけ読んでも彼がいかにはえ抜きの徹底した自然科学者....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
イマックスがちゃんと生きて来るように思われる。事件的には縁がない代わりに心理的の
伏線になるのである。拷問の後にほうり込まれた牢獄の中で眼前に迫る生死の境に臨んで....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
鳥の死によって、この人の唯一の情緒生活のきずなの無残に断たれるという場面が一種の
伏線となっているので、それでこそ後にポーラの楽屋のかもし出す雰囲気《ふんいき》の....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
けだ。その点よく御了解《ごりょうかい》を得たい」 と、巧みにことわりを述べて、
伏線《ふくせん》とした。 「それでは、まず第一番として、聖者にお願いして、私の肉....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
使う余裕がなかったのである。でも「愛用の卓子を汚す」ということは、なかなかハデな
伏線材料であるから、そういうハデな材料はもっとハデに生かさなければ面白くない。況....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
との意識の矛盾の真相を、もっと立ち入って突き止める段に来る。併しその方向はすでに
伏線として与えられている。すでに吾々は、自然科学の歴史的制約が常に変装制約され得....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
た統一に就いてもう一遍考え直して見なければならない。 だが実はこの問題の解決の
伏線を、すでに吾々は用意しておいたのである。批評は可能的制作の諸規定の凡てが約束....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
誰か自分の運命を愛しないものがあろう。自分を愛せよ、と云う場合には、すでに何かの
伏線があるのだ。つまり、その愛し方に或る注文をつけているのだ。――だが、なぜ、博....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
のだから、無理もないことだ。――文化的職業組合の結成必ずしも検閲の強化=合理化の
伏線とは限らぬ、と反対する人がいるかも知れない。だが当局肝煎りの組合結成には文化....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
だけを選りぬいて登場させる、弁護士にはなるべく口が利けないようにするが、但し後の
伏線になるようにアパートの時計が二十分進んでいたというアパート掃除婦の新証言をつ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
特の性格を知らせるための芸術効果を主にしたもの、つまり治水事業の困難さを知らせる
伏線的なものである。そして万人がその困難さを納得するに値するだけの雄大独自な個性....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
言は絶対無用だぜ」 法本はこう日野に念をおしたそうですが、以上はまア法本一流の
伏線、小細工と申すものです。小夜子サンかどわかしの場合の要心と、またこのように釣....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
そう明々白々に暗示しうるものではない。彼にインネンをつけられてもゴマカせるような
伏線をつくっておかなければならないのです。 幸いに私の想像通りに太田成子を追う....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
のよく知っていられるところである。列挙せられた新聞紙の記事は所謂この物語の第二の
伏線とも見るべきものであって、第一の
伏線たるマリー失踪前後の記述と相まちて、この....