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伐木
「伐木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伐木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
、一向引き合わぬと愚痴を飜《こぼ》しながら、ドシドシ斧《おの》を入れさせる、その
伐木を何に使用するかと問えば、薪材にして、潰《つぶ》すより外《ほか》、致し方ない....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
せんに、西牟婁郡川添村は、十|大字《おおあざ》、九村社、五無格社、計十四社を滅却
伐木して市鹿野《いちがの》大字の村社に合祀し、基本金一万円あるはずと称せしに、実....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は同じだ。この貢納の旧例こそは、何よりも雄弁に木曾谷山地の歴史を語り、一般人民が
伐木と開墾とに制限のなかったことを証拠立てるものであった。もっとも、幕府では木租....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
音がする。見れば、巨鋸や嚢を背負い薬鑵を提げた男女が、幾組も/\西へ通る。三井の
伐木隊である。富源の開発も結構だが、楢の木はオークの代用に輸出され、エゾ松トヾ松....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
のとてないが。)其等の快楽の中で、私は、「熱帯林の静寂の中で唯一人斧を揮う」この
伐木作業を、高い位置に置くものだ。誠に、「歌の如く、情熱の如く」此の仕事は私を魅....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
建設の気配があり、ひらけて行く土地のざわめきがほの明るく漂っている。空はひろく、
伐木のあいだに、開墾の小屋はま新しく点在して見える。つかず離れずにしていたイシカ....
「トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
町に近いところへ出て行こうとしている人などもあった。森だの藪地だのからは、大きな
伐木を焼く煙が高く高く挙っているのを勇吉は見た。 雑嚢に一杯薬を入れると、二貫....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ない。」 老爺さんの硫黄はよく出来た。しかし近間の山林は官林なので、民有林から
伐木《ばつぼく》して薪《まき》を運ぶのに、嶮岨《けんそ》な峰を牛の背でやった。製....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
についた。 Offingen 駅を過ぎたころ、そのあたり一面は落葉樹林で、また
伐木が盛にしてある。土手には菫が沢山咲いている。そこの小流の汀には菖蒲のような草....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
そは不吉なる場所であった。それは障害の初まりであり、ナポレオンと称する欧州の一大
伐木者がワーテルローで出会った最初の抵抗であって、斧《おの》の打撃の下に現われた....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
危険の場合には、それに一致した叩き方をして、森林の中に散在して、枯れ木を採ったり
伐木したり、馬を飼ったりしている者を、最初に合図の起こった場所へ、呼び寄せて加勢....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
径とともに鉄索が通じている。その方面の山はことごとく伐り払われて、今不動沢が正に
伐木の最中である。下りはかなり急であった。九時五十分不動沢着。沢の両岸には半永久....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
岩に黒ペンキで示された「監視路」の文字が、やがてこの谷にも入るであろうところの、
伐木の近きを約束しているのでもわかる。谷の奥の山は、気のつまるほどの黒木におおわ....
「向嶋」より 著者:永井荷風
霜ヲ月辺ニ警シメ、棊声《きせい》ノ竹ヲ隔テ、雪声ノ窓ヲ隔ツ。皆愛スベキナリ。山行
伐木ノ声、渓行水車ノ声|並《とも》ニ遠ク聴クベシ。遊舫《ゆうほう》ノ笙《しょう》....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
っていた。外に荒物屋が一軒。 此処が清水村逢坂。 何でも、そこらの山林にいる
伐木人夫どもが、たまに酒でも飲みにやって来ようという、ほんの五、六戸の部落らしか....