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休する
「休する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
休するの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
ちょっと手をやると何のこともなしに取れてしまった。その鉢の下に紙片があって「好く
休する時を得て即ち好く休せよ、花を収め子を結んで錦州に在り」という詩句が書いてあ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
その蓋を開けて見るような事でもあるならば、折角の千辛万苦も、一朝水泡に帰して万事
休するに至るは明瞭な事柄である。しかのみならず、その櫃は長さ僅に三尺五寸ばかりで....
「祭日ならざる日々」より 著者:宮本百合子
せるものであるか。ヨーロッパ大戦ののち書かれた多くの代表的文学作品は、塹壕から帰
休する毎に深められて行く男のこの憎悪の感情と寂寞の感情にふれていないものはない。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
け捉まえどころが少ないわけであります。がんりきの立場から言えば、取組ませては万事
休するのですから、その敏捷な身体のこなしと、自由自在な一本の腕を以て、敵に組ませ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
という考えを起こすか、あるいは側面から攻撃しようという考えを起こしたならば、万事
休するのだった。
ジャン・ヴァルジャンは正面の家をながめ、傍の防寨をながめ、次....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
に速かであることをお忘れではないはずだ。今は一日を惜む。でないと、閣下等の万事は
休するのだ! 『なるほど現在では、自分も口をつぐんで閣下等の尊名をあばくことをす....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
に商業はこの点については最も苦心を要する所である。一度この選択を誤まれば、万事は
休するのである。 なお一つ注意すべき事が残っている。それは東京市中に電車が開通....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
しそれが退歩的となる理由はない。そして外国貿易の喪失によって不要となった資本が遊
休するものでないことは、疑いがない。それは、従来と同じく有利にというわけには行か....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
えながら、品物をポケットに納めた。『この怪事件で、下手な真似をしたが最後、万事は
休する』 ビクトワールが、ルパンの傍を通った時、 『ジャンソン中学の裏手で逢お....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
りしてるから感心だと褒められ――無我無中のうちに高速度印刷機から吐き出されて万事
休する、世の常の飜訳にしたところで、所詮は道は一つである。 這般《しゃはん》の....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
山下を出た。私等はこの日霊宝館を訪ねる予定であったが、まだ雨が止まぬので此処に一
休するつもりで来て、雨の霽れるのを待たずに此処を出たのである。併し女中さんが二人....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
土色でないのは嬉しかった。空谷を過ぎて、山かせぎなどする人の休場である山の鼻で一
休する。桂、椈の大木が多い。此谷に這入って以来、強い期待を以て毎日のように嘱望し....