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休ませる
「休ませる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
休ませるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
て貰いに行った。滋養物を取らなければ不可《いけない》――働き過ぎては不可――眼を
休ませるようにしなければ不可――種々《いろいろ》に言われて来た。 「一つは粗食し....
「新生」より 著者:島崎藤村
二人の沈黙を破るものは唯子供等の間に起る快活な笑声であった。岸本は節子や子供等を
休ませるために往《い》きに節子が寄って花を買った家の附近を探した。その辺には旗の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
って、原稿紙に向かって呻吟しながら心待ちに君を待つのだった。そして渋りがちな筆を
休ませる間に、今まで書き連ねて来たような過去の回想やら当面の期待やらをつぎつぎに....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
すから新五郎は兄と一つ蚊帳に這入る。用があったら呼ぶからと云って、お幾を女部屋に
休ませる。これで家のなかもひっそりと鎮まった。入江町の鐘が九つ(午後十二時)を打....
「惜別」より 著者:太宰治
た事もないらしいが、あまり丈夫な体質でもないようだからね。まあ、二、三日は学校を
休ませるつもりだ。どうも、外国人は、世話が焼けるよ。ところで、鳥は、水たきがいい....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ど、うれしいらしい。
博士は、にこにこ笑って、その病める火星人に、ゆっくり体を
休ませるように言った。そうして、火星人が、そこに寝ると、その火星人の体の上に、き....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たえ》の料紙硯《りょうしすずり》を引寄せましたけれど、少し疲れているためと、頭を
休ませる必要から、また仰向けになって眼を閉じていました。 昨日までの雪は晴れて....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
るのも無用。 僕の出る日には、子供等はうるさいからみな学校へやって置け。決して
休ませるには及ばん。 本をもう五、六冊頼む。ただし来月上旬でいい。『新仏教』読....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
て、いつまでもながくはなれないとでもいうようでした。そのとき王さまは、エリーザを
休ませるためことに用意させた、そばのちいさいへやの戸を開きました。このへやは、高....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ヌイイー・スュール・マルヌを過ぎた。
晩の六時頃にはシェルに着いた。御者は馬を
休ませるために、国立修道院の古い建物のうちにあった駅宿の前で馬車を止めた。
「私....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
御用を訊いて来たら、一時間休ませれば、小僧の働きぶりが違ってくる。また雨が降れば
休ませる。今日は雨が降ったお蔭で一日暇が貰えたということになれば本当に満足する。....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
馭者が、油断なく「どうどう! はい、どうどう!」と言いながら、彼等を立ち止らせて
休ませるたびに、左側の先導馬は、いかにも並外れて勢のある馬らしく――頭や頭に附い....
「牛」より 著者:岡本綺堂
たので、大勢がわやわや言いながら、車の上から積樽をおろしている。そのあいだは牛を
休ませるために、綱を解いて置く。すると、ここに一つの騒動が起った。というのは、こ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
士はそっと彼女に背を向け中庭の薄明が室内の電燈と中和する水色の窓硝子に疲れた眼を
休ませる。客商売である帳場の者はもちろんこういう時の心得は知って居てそっぽを向く....
「妾宅」より 著者:永井荷風
するのである。悪病をつつむ腐《くさ》りし肉の上に、爛《ただ》れたその心の悲しみを
休ませるのである。されば河添いの妾宅にいる先生のお妾も要するに世間並の眼を以て見....