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休まる
「休まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
休まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
とさらに荒々しくこずきまわした。――「やがては、ゆるりと磔柱《はりき》にかって、
休まるる体《からだ》じゃなど悪口《あっこう》し、あまつさえ手をあげて、打擲《ちょ....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
が屋敷奉公をやめて、再び自分の手許《てもと》へ戻って来ない限りは、ほんとうに胸の
休まる筈はないと自分でも思っていた。男を引き戻したい。お絹は明けても暮れても唯そ....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
たあれの墓にも香花《こうげ》をあなたの手から手向けて頂いたら、少しは家中の心持も
休まるかと思いまして……今日のことをなんぼう待ちましたろ。政夫さん、どうぞ聞き分....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
坐しおるのである。 罪に触れた者が捕縛を恐れて逃げ隠れしてる内は、一刻も精神の
休まる時が無く、夜も安くは眠られないが、いよいよ捕えられて獄中の人となってしまえ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
えてくれろの、これは悪くもないがもッと安くしてくれろのと、間に立つものは毎日気の
休まる時がございません。それが田舎行きとなると、幾度も往復しなけりゃアならないこ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を殺しても、お前の心は休まらない筈だ」 「ただ、血を見た瞬間だけは……」 「心の
休まることもあろう。しかしすぐに二倍となって、不安がお前を襲う筈だ」 「で、また....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
疑われる、兄の勤めている主人方へお屋敷の一大事を内通をする事も出来ん、先方の心の
休まるように書いた方が宜かろうと、羞かしそうに筆を執りまして、大藏が教ゆる通りの....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、もう私は死んでしまう方が益しです、あなたを恋すれば日は日じゅう夜は夜じゅう心の
休まることはありませぬ、というので、女が男に愬えた趣の歌である。「死なむよ」は、....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
こまる、けれども憎まずにいられぬ。善人ともなれば心は大いなる憂いに閉され、悩みの
休まる時はない。 新憲法で、サムライと町人の区別がなくなり、宮様もなくなった、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
夢中で硫酸をなげつけて逃げた。探偵が自分の跡を追っているような気がして寸時も心の
休まる時がなく、宿舎へ戻ればそこに探偵が待ちぶせているように思われ、彼方へ歩き此....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
しゃるのは、新さん、あなたの事ですよ。」 「僕を。」 「ですからどうにかして気の
休まるようにしてあげて下さいな。心配をかけるのは、新さんあなたが、悪いんですよ。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
そういう所に来るとまあその景色のよい所に荷を卸して一つよく眺めたら旅の疲れも充分
休まるだろうと考えて、池の端にドッカリ坐り込んでゆっくり眺めて居るその時の愉快さ....
「世間師」より 著者:小栗風葉
りとして、車一つ通らぬ。ただ海の鳴る音が宵に聞いたよりももの凄く聞える。私は体の
休まるとともに、万感胸に迫って、涙は意気地なく頬を湿らした。そういう中にも、私の....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
に向った。吉野川を渡り、それから乗合自動車に乗ったころは、これまでの疲れが幾らか
休まるような気持でもあった。これまでの疲れというのは、比叡山で連日『歌』の修行を....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
た。そんな物がこの沢にあるのは寧ろ不思議であるが、人の通った証拠にはなるので気は
休まる。このウケは春の生殖期にサンショウウオを捕るものであることを後に知った。 ....