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会釈
「会釈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
会釈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ている。彼は大いに恐縮したから、直《すぐ》後ろにいた藤田大佐へ「どうかお先へ」と
会釈《えしゃく》をした。が、大佐は「いや」と云ったぎり、妙ににやにや笑っている。....
「母」より 著者:芥川竜之介
中の姿を見ると、心安そうに声をかけた。
「お清《きよ》さん。」
女中はちょいと
会釈《えしゃく》してから、出窓の方へ歩み寄った。
「まあ、御精《ごせい》が出ます....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
りと微笑の影が動くと、心もち山高帽を持ち上げながら、「やあ」と柔《やさ》しい声で
会釈《えしゃく》をした。私はかすかな心の寛《くつろ》ぎを感じて、無言のまま、叮嚀....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
違いじみているのに気がついたのだそうだ。が、問い返そうと思う内に、赤帽はちょいと
会釈《えしゃく》をすると、こそこそ人ごみの中に隠れてしまった。それきり千枝子はい....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
人が一人、人形を持って立っている。
いよいよ、狂言が始まったのであろう。僕は、
会釈《えしゃく》をしながら、ほかの客の間を通って、前に坐っていた所へ来て坐った。....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
の火照《ほて》り出すのを感じた。けれどもこれだけは覚えている。――お嬢さんも彼に
会釈《えしゃく》をした!
やっと停車場の外へ出た彼は彼自身の愚《ぐ》に憤りを....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ていたのも、皆それぞれ挨拶《あいさつ》をする。内蔵助もやはり、慇懃《いんぎん》に
会釈をした。ただその中で聊《いささ》か滑稽の観があったのは、読みかけた太平記を前....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
――」
そう云う言葉が、ほとんど同時に、叔母と神山との口から出た。お絹は二人に
会釈《えしゃく》をしながら、手早くコオトを脱ぎ捨てると、がっかりしたように横坐《....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
用ですか?」
「はい、少々お願いの筋がございまして。」
女は慇懃《いんぎん》に
会釈《えしゃく》をした。貧しい身なりにも関《かかわ》らず、これだけはちゃんと結《....
「路上」より 著者:芥川竜之介
惑じゃございませんでしたの?」
「いや、どうしまして。」
俊助はちょいと初子に
会釈《えしゃく》しながら、後はやはり野村だけへ話しかけるような態度で、
「昨日《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うございます。」
若者は愛想《あいそ》笑いを見せながら、恭《うやうや》しく彼に
会釈《えしゃく》をした。
「お早う。」
彼はこの若者にまで、狼狽《ろうばい》し....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
を着た姿が、夕明りに浮んで見えたものです。すると御主人はこの女に、優《やさ》しい
会釈《えしゃく》を返されてから、
「あれが少将の北《きた》の方《かた》じゃぞ。」....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
そこへちょうど来合せたのは、私に秋山の神趣を説いた、あの煙客先生です。翁は王氏に
会釈《えしゃく》をする間《ま》も、嬉しそうな微笑を浮べていました。
「五十年|前....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
か一躍《ひとおど》りに保吉の頭を躍《おど》り越えた。彼は誰もいない空間へちょいと
会釈《えしゃく》を返しながら、悠々と階段を降り続けた。
庭には槙《まき》や榧《....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
になりましたか……。』 私が近づいて、そう言葉をかけましたが、敦子さまは、ただ
会釈をしたのみで、黙って下方を向いた切り、顔の色なども何所やら暗いように見えまし....