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「伝奇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝奇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ない。己の八犬伝は必ず完成するだろう。そうしてその時は、日本が古今に比倫のない大伝奇を持つ時だ。」 彼は恢復《かいふく》した自信をいたわりながら、細い小路を静....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いるのは仏蘭西人《フランスじん》の所謂《いわゆる》ボヴァリスムである。我我自身を伝奇の中の恋人のように空想するボヴァリイ夫人以来の感傷主義である。 地獄....
或る女」より 著者:有島武郎
をこめて自分の名を呼ばれた事はないようにさえ思った。「葉子」という名にきわ立って伝奇的な色彩が添えられたようにも聞こえた。で、葉子はわざと木村と握り合わせた手に....
婦系図」より 著者:泉鏡花
兄妹のようか、従兄妹のようか、それとも師弟のようか、主従のようか、小説のようか、伝奇のようか、そこは分りませんが、惚れているにゃ違いないのですから、私は、親、伯....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
うしたことですかな」 そこで雁金検事は、パチノ墓地について、既に記したとおりの伝奇的な物語をして聞かせ、「つまりパチノは皇帝の命令をうけ、莫大な財宝を携えて、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
第三の男は語る。 「唐代は詩文ともに最も隆昌をきわめ、支那においては空前絶後ともいうべき時代でありますから、小説伝奇その他の文学に関する有名の著作も甚だ多く、なにを紹介してよろしいか頗る選択に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に封ぜられましたが、この人の顔が猿に似ているというので、或る人がいたずらにこんな伝奇を創作したのであって、本当に有った事ではないという説があります。しかし〈志怪....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しかし、算哲を斃すためには、その敷物を応用した文芸復興期の剣技が、けっして一場の伝奇ではなかったのです。つまり、内惑星軌道半径の縮伸というのは、要するに貴方が行....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
場」が、あると伝えられている。 ではここで、この謎の地域がけっして私のような、伝奇作者のでたらめでないという証拠に、英航空専門誌“Flight”に載った講演記....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
大衆作家も、もっと時代を溯れば、いくらでも題材はあるわけである。 とに角斯かる伝奇的な若武者が、既に遠い南朝の夢を懐いて、吉野の附近に徘徊して居たと云うことだ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
古寺の光景は、異様な衝動で渠を打った。 普通、草双紙なり、読本なり、現代一種の伝奇においても、かかる場合には、たまたま来って、騎士がかの女を救うべきである。が....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
である。 その故人を慕って、いまなお尽きぬ苦恋の炎が、この一篇を流れつらぬく大伝奇の琴線なのである。 十八年の昔、トリエステにおこった出来事と、ジーグフリー....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
てゆかねばならぬのであるが、まず何より、順序として里虹の前身に触れ、あの驚くべき伝奇的な絡がりを明らかにしておきたいと思う。 今世紀のはじめ、ケルレル博士の発....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
とは有尾人猿の王だという不思議な老人の捕虜となって岩窟の中へ連れて来られ、老人の伝奇的の経歴を老人の口から聞かされてどんなに不思議に思ったろう。しかし私達は疲労....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
をもとめて旅立つ武者修行者よろしくのていで、駈けだした。ところで、わたしは当然、伝奇物語の真精神に従って、ここでこの主人公とその乗馬の風采いでたちについて少々述....