伝奏[語句情報] » 伝奏

「伝奏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝奏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
「悪くすると、自腹を切ることになるからな」 「そうだ!」 「とにかく、まず第一に伝奏屋敷の畳替えだ」二人は、接待についての細かな費用の計算を始めた。 ....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
めに参内仕りて候ふと申しもあへず、涙を鎧の袖にかけて、義心其の気色に顕れければ、伝奏|未奏せざる先にまづ直衣の袖をぞぬらされける。主上則ち南殿の御簾を高く捲せて....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
かに思はれ」で、陰気のところなどは少しもない。 「花を見るにはどっちがよかろう、伝奏屋敷か山県邸か」 鍛冶小路の辻まで来ると庄三郎は足を止めたが、「いっそ神明....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に向かっては返答の延期を求めた。打てば響くような京都の空気の中で、人々はいずれも伝奏からの触れ書を読み、所司代がお届けの結果を待った。あるものはイギリスの三か条....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
なって見ると、九門はすでに堅く閉ざされ、長州藩は境町御門の警固を止められ、議奏、伝奏、御親征|掛り、国事掛りの公卿の参内もさし止められた。十七日の夜に参内を急い....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
『伊勢大輔集』、『出羽弁集』、『康資王母集』、『四条宮主殿集』で、これらの多くは伝奏たる広橋家を通じての武家からの注文であった。『万葉集』第一巻をば功成ると伏見....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れから一刻ほど後、閣老からの使いが見えた。沢庵へ宛てた書簡と共に、明日、辰の口|伝奏屋敷の控え所まで、武蔵を召連れて、出頭あるようにという達しであった。 新蔵....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
残ってはいるが。 話は、以前になるが。 去年。――柳営に仕官の望みを絶って、伝奏やしきの半双の屏風に、武蔵野之図を一|掃に描き残したまま、江戸の地を去った武....
私本太平記」より 著者:吉川英治
れ以上には伏せられぬほど低まった。 「正成、気強う思うぞ」 直々のお声だ。――伝奏を期していた正成はどう答えていいかわからず、ただ「はっ」と、体が言ったのみで....
私本太平記」より 著者:吉川英治
宿を、いくたびとなく振り返りつつ、四国へ送られて行かれましたゆえ」 と、それの伝奏を、彼は切に道誉へ依頼したのであった。そして、道誉の承認をえると、 「今日は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
でいた。 かつは、後醍醐の御座をも、ここでは智積寺の行宮ふかくに奉じて、自己の伝奏によらねば、決して近づけさせることではなかった。はやくも禁門の制を布き、宮闕....
私本太平記」より 著者:吉川英治
きだとも知っていたが、何も口に出なかった。河内の片すみにある一土豪に過ぎぬ身が、伝奏も経ず、じきじきなお答えなどはどうだろうか。そんなためらいも交じっているまに....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ひかえております。おそらくは、それとなくお別れにまいったものでございましょうか」伝奏の公卿が、奏した。 侍側の親房はこの日、おもなる公卿と共に別院にはいったき....