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伝播
「伝播〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伝播の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「交尾」より 著者:梶井基次郎
来る。それは近くの瀬の波頭の間から高まって来て、眼の下の一団で高潮に達しる。その
伝播《でんぱ》は微妙で、絶えず湧《わ》き起り絶えず揺れ動く一つのまぼろしを見るよ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
開け、商業が開け、人類が進歩し、ついには宣教師を外国にやることが出き、キリスト教
伝播の直接間接の助けにどれだけなったか知れませぬ。われわれもハーシェルと同じに互....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
つ沈みつしている浮標《うき》などが見えようはずがなかった。博士は、ただ釣糸の上を
伝播してくるひそかなる弦振動に、博士自身の触覚感を預けていたのであった。 目の....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
界の地上から放射されてこの世界以外の数しれぬ多くの遊星のほうへ向け大宇宙のなかを
伝播してゆくことを知っているばかりである。 しかし私の遺言がほかの遊星の生物に....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
たがね」 水戸が早口に言葉を挿んだ。 「もちろん計器の上に感じた地震だ。すごい
伝播速度のものだ。秒速二千四百キロメートルを観測したよ」 「なるほど、普通の地震....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
深さまで行けば地球内部は流動体となっていると仮定されるのであるが、これは地震波の
伝播速度に関する観測の結果からも、また振子による重力測定の結果からも裏書きされる....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
、今なお世にもまれなる名茶産地の名をとどめている。南宋の禅は驚くべき迅速をもって
伝播し、これとともに宋の茶の儀式および茶の理想も広まって行った。十五世紀のころに....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
それから騒ぎは検察本部へ波及し、それから賑かにラジオ、テレビジョン、新聞の報道へ
伝播し、それから満都の人々へこの愕くべき誘拐事件が知れ亘り、騒ぎが拡大して行った....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
指導せんとするものである。かくて真理は甲から乙へ、乙から丙へと、次第次第に四方に
伝播し、やがて高山の頂巓から、世界に向って呼びかけねばならぬ時代も到着する。見よ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
て聴聞したという話がある位、従ってそれらの部落で膳椀の代りに木の葉を用いたのが、
伝播したとも考えられぬ事はない。唯幸いにして日本人は肉が嫌いであったがため、あの....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
全力を傾注した。「眼中仁なき悪徳医師」「誤診と投薬」「薬価二十倍」「医者は病気の
伝播者」「車代の不可解」「現代医界の悪風潮」「只眼中金あるのみ」などとこれをちょ....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
たちが、その御宇御宇の聖蹟を伝え、その御代御代の御威力を現実に示す信仰を、諸方に
伝播した。此が、日奉部(又、日祀部)なる聖職の団体で、その舎人出身なるが故に、詳....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
全く作者の空想の産物で、歴史上または伝説上の名、あるいは街談|口説の舌頭に上って
伝播された名でないのにかかわらず児童走卒にさえ諳んぜられている。かくの如きは余り....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
中は西は京阪より山陽、南海、西国まで蔓延し、東は房、総、常、野、武、信の諸州にも
伝播し、当年に至りては奥州に漸入するを見る。ひとり北陸地方に、いまだその流行する....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
嚆矢であるとか伝えられている。いずれにしても、そうした悪意の名称がたちまち世間に
伝播して、今日に至るまでも取消されないのを見ても、かの活歴なるものが世間一般から....