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伝書
「伝書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伝書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
決心をかためた。彼はその夜の更けるまで机に正しく坐って、一心不乱に安倍晴明以来の
伝書の巻を読んだ。 それから十日《とおか》ほど経って、泰親は外から帰ってくると....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
し、一旦|致仕しさらに出で、晩年|窃かに思うところあり、長沼守明一人を取り立て、
伝書工夫|悉く譲る。子孫相継ぎ弟子相受け今日に及びましてござりますが、三家三勇士....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
をひねるばかりであった。 そのうちに、只一本、貴重な報告が入ってきた。それは、
伝書鳩が持ってきたものだった。その報告文には、次のような文句があった。 “――本....
「怪塔王」より 著者:海野十三
した。 自動車が博士の邸に近づいたとき、塩田大尉は一彦に向かい、 「一彦君は、
伝書鳩を知っているかね」 「
伝書鳩ですか。知っているどころか僕は鳩の訓練も上手な....
「電気鳩」より 著者:海野十三
あやしい鳩 高一とミドリのきょうだいは、
伝書鳩をかっていました。 もともとこれは、お父さまがかっていらっしゃる鳩なので....
「橋」より 著者:池谷信三郎
1 人と別れた瞳のように、水を含んだ灰色の空を、大きく環を描きながら、
伝書鳩の群が新聞社の上空を散歩していた。煙が低く空を這って、生活の流れの上に溶け....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
の武士もかかって来ない。青眼に刀を構えたまま、微動をさえもしないのである。 八犬
伝書き進む その時武士の囁く声が馬琴の耳へ聞こえてきた。 「驚き入ったる無想の....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
。師口伝。 初心。 その一。朝ごとにネンボよくこけ。 十兵衛の書き残した口
伝書の第一巻第一頁にちゃんとそう書いてある。 神伝魚心流という名は、カメがそう....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
真庭念流八世又七郎という人が四代中絶していた念流を偽庵という隠士から伝授をうけた
伝書や、その先代が柏原肥前守から神道流の伝授を受けた
伝書など調べればまだいくらで....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
まもっているうちに、吃驚するように、思い出したのは、私が東京へ出ました当時「魔道
伝書」と云う、変怪至極な本の挿画にあった老婆の容体で、それに何となくそのままなん....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
すべきものであろう。 なお各地のシシ踊りの団体には、往々その由来を記した一種の
伝書を相伝している。その謂うところ例によって荒唐無稽の談に充たされてはいるが、し....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
の前川増吉君所蔵の部落関係書類を借覧した中に、牛の疾病治療法を図示した一巻の伯楽
伝書があった。上方でもやはり牛馬医はこの人々によって行われて、ために伯楽の名があ....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
帰ってみると、大きな包みが届いている。それが君、例の鳥籠なんよ。中にはお定まりの
伝書鳩が一羽入っていて、その脚に手紙と小さな袋が結えてあり、 汝が昨日求めたダイ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
徒が七道の者の一つとして、唱門進退の下に置かれていたのみならず、観世世阿弥の『花
伝書』の奥に、申楽三座の一つたる法成寺座を「しゅく」と読ませてあるのからでも想像....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
十万円、一年の機密費は五百万円。必要に応じていくらでも出る。それで彼はたくさんの
伝書鳩を飼っている。その中で一番大きな
伝書鳩は魯迅だ、魯迅は毎月十万円ずつ餌をも....