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「伝法肌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝法肌の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
うについて泳いでいる。あれがパイロットフィッシュだとだれかが教える。オランダ人で伝法肌といったような男がシェンケから大きな釣り針を借りて来てこれに肉片をさし、親....
二重心臓」より 著者:夢野久作
等々力若親分の若い奥さんというのは、近くの村の百姓の娘で、持って生れた縹緻美しと伝法肌から、矢鱈に身を持崩していたのを、持て余した親御さんと世話人が、情を明かし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がせて行く土方歳三――沖田総司が一人ついている。 「土方先生、あれは何です、あの伝法肌の女は、あれは――」 「は、は、は」 と、土方が高らかに笑い、 「松坂屋の....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ふたつ。 じまんの洗い髪――つげの横ぐし。 大きな眼を据え顔を傾けて、早口の伝法肌《でんぽうはだ》、膝をくずした姿も色めき、男を男と思わぬところ、例によって....
死ね!」より 著者:豊島与志雄
だった。一体私は、ひどく頼りない感銘を彼女から受けるのだ。何だか磨きの足りない、伝法肌の気まぐれな朗かさが、そうした感銘を与えるのかも知れないが、私はそれを飛行....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
た。そしてそれには丁度よく美しく品位ある中村歌右衛門や、故人の沢村源之助という、伝法肌《でんぽうはだ》な打ってつけの役者がいた。 末広鉄腸は、早く「渓間の姫百....
源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
時、他にも相当の女形がないではなかったが、源之助の人気は群を抜いていた。いわゆる伝法肌で気品のある役には不適当であるといわれたが、それでもあらゆる役々を引受けて....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
なげぶし》歌ひ行くなるべし。 浮世絵師の伝記を調べたる人は国芳が極《きわめ》て伝法肌《でんぽうはだ》の江戸児《えどっこ》たる事を知れり。この図の如きは寔《まこ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
水浸りになって、随分|容体も重いということじゃないか」 「ええ。だけれど、江戸の伝法肌だけに気が強くて、大事な用を帯びているのだから、是非、親分を呼び返してくれ....