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「伝習〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝習の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
であると云えよう。自然に対しても、近代人は近江八景や、二見ヶ浦の日の出のような、伝習に囚《とら》われた名所や風光で満足が出来ないのである。ちょうど十九世紀に著し....
手品」より 著者:佐左木俊郎
えて、そこに僅かに明るい光の射すのを待ち望んでいるのである。併し、これらの古風な伝習も、そんなにもう長くは続かないであろう。 それらの古風な慣習の一つに「チャ....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
思想それ自身の中にあったことはいうまでもない。すなわち彼には、人間の偉大に関する伝習的迷信がきわめて多量に含まれていたとともに、いっさいの「既成」と青年との間の....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
三万と称したが、ほんとうは一万三四千人であったであろう。 幕軍の中心は、仏蘭西伝習隊で、訓練もよく銃器も精鋭であった。それに、会津、桑名、松山、高松、浜田等の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、運用方、測量方から火夫水夫まで、一切西洋人の手を借りることなしに、オランダ人の伝習を受け初めてからようやく五年にしかならない航海術で、とにもかくにも大洋を乗り....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
はすでに江戸の方で幾たびか相往来している間柄である。横須賀造船所の経営に、陸軍の伝習に、フランス語学所の開設に、海外留学生の派遣に、ロセスが幕府に忠告したり種々....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
酒蔵のようなところにまで女は遠ざけられていたことを想像して見るがいい。幾時代かの伝習はその抗しがたい手枷足枷で女をとらえた。そして、この国の女を変えた。遠い日本....
征服の事実」より 著者:大杉栄
かけて来た。歴史が始まりかけて来た。 その間にこれらの各集団は、その共通起原の伝習も痕跡も失って、各々違った言語や風習や宗教を持つようになり、まったく異なった....
獄中生活」より 著者:堺利彦
Hyndman : Economics of Socialism. 王陽明伝習録(第一巻) まずハイドマン氏の「社会主義の経済学」を読みながら、飽いて来....
次郎物語」より 著者:下村湖人
るきりだった。次郎がはいって来るまで、先生はひとりで読書していたらしく、王陽明の伝習録がテーブルの上にふせてあった。 「やっと発表になったよ。」 次郎を見ると....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
べし。 ついでながら仏公使の云々したる陸軍の事を記さんに、徳川の海軍は蘭人より伝習したれども、陸軍は仏人に依頼し一切|仏式を用いていわゆる三兵なるものを組織し....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
なり。 日本海軍の起源は、安政初年の頃より長崎にて阿蘭人の伝うるところにして、伝習およそ六七年、学生の伎倆も略熟したるに付き、幕議、遠洋の渡航を試んとて軍艦咸....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
命の出来ぬは矢張倫理とか宗教とかの本を読まぬ為めと存候。福岡にて買ひし本の内に『伝習録』といふものあり。有触れたる者なれど、まだ蔵書に無き故買ひおき候。これは王....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
初年に渡来した英国人の画家ワグマンとも深く交わった。特にワグマンについて真面目に伝習したとは思われないが、ブラシの使い方や絵具の用法等、洋画のテクニックの種々の....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
身分は平民と同等になっても、職業はやはり従前のままをつがしめ、そしてもしその技を伝習せずんば、農業に従事せぬ彼らは次第に貧困に陥って、子孫ますます堕落すべきこと....