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伝言
「伝言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伝言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
の予期したよりもずっと落ち着いているらしかった。僕は出来るだけ正確に彼等に従兄の
伝言を話し、今度の処置を相談し出した。従姉は格別積極的にどうしようと云う気も持ち....
「或る女」より 著者:有島武郎
つこつとたたいて、うつむいてそれをながめながら、帯の間に手をさし込んで、木村への
伝言を古藤はひとり言《ごと》のように葉子にいった。葉子はそれに耳を傾けるような様....
「星座」より 著者:有島武郎
だね。僕はもし帰ってしまうといけないと思ってかなり急いだ」
「おたけさんから何か
伝言《ことづけ》があったろう」
「いいえ」
園はまるでおとなしい子供のようにに....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
なり得ない人物だと断定するであろう。終に、溌剌《はつらつ》たるエミリーによろしく
伝言を頼む”――こういうんだがね、ロシア人らしい長い手紙だ」 ドレゴは吐息と共....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ったろう……。 「そうだ。アレだ。アノことだッ。……」 僕は予てマスミに対して
伝言したい一つの事柄を持っていたのに気がついた。なぜそれを忘れていたのだろう。僕....
「蠅男」より 著者:海野十三
急いで室内にはいってきて、ドクトルがこれから二人に会うからすぐに二階へ来てくれと
伝言をもってきた。カオルは遉がにパッと眸を輝かし、十五、六年ぶりに瞼の父に会える....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
、大分無理な夜更しでもするらしいのは判っていたのだが、それならば私がその折召使に
伝言した忠告も、恐らく家人の注意と同じように聞き捨てられたに違いない。可哀想に、....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
て来ると山川とだけに会って、その妻子のいる神戸へ行った。そして僕は山川から栄蔵の
伝言だというのを聞いた。それによると、Tはちょうど上海にいないで、朝鮮人の方から....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
しゃることが分ったんです。なぜってその焼け灰の上に、鉛筆でお書きになった先生の御
伝言が光っていましたから、それを読んでみると、先生がそこへ行っていらっしゃること....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
息を感じるのであった。いじらしい石少年よ。その時、 「艇長! スミス操縦長からの
伝言です」 「おお、なんだ」 「本艇は、艇長の命令により、二千メートルの下降をお....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
らしくない。あとを早く。 生れたそうだな。馬鹿に早かったもんだね。監守長からの
伝言でちょっと驚いた。まだ碌に手廻しもできなかったろう。母子ともに無事だという話....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
といった顔で……。 冴子が照れ症であったこと。 接吻をしなかった理由。 奇妙なる
伝言。 更に奇妙なる男が出現すること。 例によって、四五三号の信吉の部屋。 ....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
、主人の命をうけた夕霧が筑前国の芦屋の館へ下って、芦屋某の妻に会って、その主人の
伝言をつたえるのであります。 三年の間、ひとり佗しく主人の帰館を待っていた妻は....
「残された日」より 著者:小川未明
ったろうかと思いました。彼は先刻、学校の窓のところですずめに向かって、お母さんに
伝言をしてくれるようにと切に頼んだが、なにかいってくれたかしらと思いながら家に帰....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
の家の十人の息子の一人がヴィーンへ行くことになったが、僕から君への「よろしく」を
伝言せずに彼を出発させるわけにはゆかない。僕がヴィーンを離れてからの二十八年間、....