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「伝馬役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝馬役の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
根がその左右に並んでいる。宿場らしい高札の立つところを中心に、本陣、問屋、年寄、伝馬役、定歩行役、水役、七里役(飛脚)などより成る百軒ばかりの家々が主な部分で、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ってもいい。そういうことを言うんです。」 「そいつは初耳だ。」 「それから、宿の伝馬役と在の助郷とはわけが違う、半蔵さまはもっと宿の伝馬役をいばらせてくだすって....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
のと言われ、中にはひどく乱暴を働いた侍衆もあったというような話が残っていた。ある伝馬役の門口にも立って見た。街道に添う石垣の片すみによせて、大きな盥が持ち出して....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
塩荷その他を積んだ馬、それらの通行にも変わりはない。しかし旧宿場に衣食して来た御伝馬役や宿人足、ないし馬差、人足差の人たちはもはやそれのみにたよれない。目証もと....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、 「そのほうの下役、仙波阿古十郎というは、まことに奇妙なやつの。もと甲府勤番の伝馬役《てんまやく》であったと申すが、なにしろ、ふしぎな理才を持っておるよし」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
もを解いた。 「介か」 待ちかねていた尊氏は人を避けてすぐ彼とふたりだけで駅の伝馬役所の内に入り、しばし密談をかわしていた。 要は、介の報告であったにちがい....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
ちらつく。 もっそう飯も、今朝ばかりは、食う気がしなかった。 午近くなると、伝馬役所の空気は、何となく、騒がしく感じられた。吟味与力の高梨小藤次は、同じ役所....
春の雁」より 著者:吉川英治
なんかいるわけはない。おまえも存外、色里を知らない人だねえ」 「そして、与力衆や伝馬役人と、どういうわけでお宅で会っているんですか」 「その澪の伝兵衛が、ついこ....
魚紋」より 著者:吉川英治
な筋じゃない。何処の者かしらと思って、今、その男の脱いで行った合羽を見たら、裏に伝馬役所と黒印が捺してあるじゃないか。ホホホホ、伝馬の牢番か何からしいんだよ』 ....