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伯母
「伯母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伯母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文学好きの家庭から」より 著者:芥川竜之介
せん。母は津藤《つとう》の姪《めい》で、昔の話をたくさん知っています。そのほかに
伯母《おば》が一人いて、それが特に私のめんどうをみてくれました。今でもみてくれて....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
りも、あるいはあの日までと云った方が、もっとほんとうに近いかも知れない。あの日、
伯母様の家の一間で、あの人と会った時に、私はたった一目見たばかりで、あの人の心に....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
答えながら、満足そうに手を洗っていた。
翌朝《よくあさ》自分の眼をさました時、
伯母《おば》はもう次の間《ま》に自分の蚊帳《かや》を畳《たた》んでいた。それが蚊....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
に立ったことはなかった。僕は便器に向いながら、今日はふだんよりも寒いぞと思った。
伯母や妻は座敷の縁側にせっせと硝子戸を磨いていた。がたがた言うのはこの音だった。....
「死後」より 著者:芥川竜之介
枚と胴としか出来上っていなかった。
「子供は?」と僕は坐るなり尋ねた。
「きのう
伯母《おば》さんやおばあさんとみんな鵠沼《くげぬま》へやりました。」
「おじいさ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
た。
「さっきはよそのお師匠さん、今度は僕がお目出度なった!」
父は勿論、母や
伯母も一時にどっと笑い出した。が、必ずしもその笑いは機智《きち》に富んだ彼の答を....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
今ではあなたの御家族の中でも、たった一人|姫君《ひめぎみ》だけが、奈良《なら》の
伯母御前《おばごぜ》の御住居《おすまい》に、人目を忍んでいらっしゃる事、――そう....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
コばかりだった。
或春先の日曜の午後、「初ちゃん」は庭を歩きながら、座敷にいる
伯母に声をかけた。(僕は勿論この時の姉も洋服を着ていたように想像している。)
「....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
後にひきつけた九歳の時のことである。僕は熱もあったから、床の中に横たわったまま、
伯母の髪を結うのを眺めていた。そのうちにいつかひきつけたとみえ、寂しい海辺を歩い....
「女客」より 著者:泉鏡花
んなに辛かったろう、謹さん、貴下。」と優しい顔。 「何、私より阿母ですよ。」 「
伯母さんにも聞きました。
伯母さんはまた自分の身がかせになって、貴下が肩が抜けない....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
たくなったんです。一体出不精な処へ、お蔭様、店も忙しゅうございますし、本所の伯父
伯母と云った処で、ほんの母がたよりました寄親同様。これといって行きたい場所も知り....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
気を揉んだ事ではない。…… 婆さんは幾らも居る、本宅のお針も婆さんなら、自分に
伯母が一人、それもお婆さん。第一近い処が、今内に居る、松やの阿母だといって、この....
「寡婦」より 著者:秋田滋
びももう止めにしようとしていた時である、先刻から、未婚の女でとおして来た年老いた
伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな指環....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
った坊主頭で、鼠木綿を尻高々と端折って、跣足で鍬をついた。……(これがうつくしい
伯母さんのために出家した甥だと、墨染の袖に、その杜若の花ともあるべき処を)茗荷を....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
のを一度も買った覚えはない。が、天窓越しにかれの姿を見おろし、ふと僕の小学時代に
伯母と一しょに川蒸汽に乗ったときのことを思い出した。 僕等はその時にどこへ行っ....