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估
「估〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
估の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
りましたが、何でも一旦微禄した家を、故郷に打っ開けて、村中の面を見返すと申して、
估券潰れの古家を買いまして、両三年|前から、その伜の学士先生の嫁御、近頃で申す若....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
だ聞きませんでしたが、ときどき打っても叩いても自分の本当の気持は吐かないという依
估地なところを見せることがありますよ。そして僕がそれをそういってやっても、はっき....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
て宜かろう」 萬「へい、恐れながら申上げます、何ういう贔屓か存じませんが余り依
估の御沙汰かと存じます、成程幸兵衞は親の敵でもござりましょうが、御新造は長二郎の....
「続黄梁」より 著者:田中貢太郎
て奇貨をなし、肥瘠を量欠して、価の重軽をなす。因って公卿将士、尽く門下に奔走す。
估計※、即ち臣が身に加えよ、云々」と言ってあった。 上奏は終った。曾はそれを聞....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
と一々は数え切れず、それでもこれらの店には今も家伝の名物だけは味を守って、老舗の
估券をおとすまいとしているが、梅園の汁粉に砂糖の味のむきだしになったを驚き、言問....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
跡の少ないものであって、こだわりのない叙述の奥に隠れた純真なものがあらゆる批判や
估価を超越して直接に人を動かすのではないかと思う。そしてそれは死生の境に出入する....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
えそういう詩形の存在を概念的に知っていたとしてもほんとうにその内容を理解し正当に
估価《こか》し得たであろうという事はほとんど不可能であると思われる。 西洋人が....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ルの主人は、この名高い女流音楽家をほかの宿屋にとられることが、どれだけ自分の店の
估券にかかわるかをよく承知しているので、平気でそれを引受けた。 「承知仕りました....
「科学に志す人へ」より 著者:寺田寅彦
な研究仕事を手伝わされたことがどんなに仕合せであったかということを、本当に十分に
估価し玩味するためにはその後の三十年の体験が必要であったのである。 たしか三年....
「半日ある記」より 著者:寺田寅彦
の称名の声いつもよりは高らかなるなど寺の内も今日は何となく賑やかなり。線香と花|
估るゝ事しきりに小僧幾度か箒引きずって墓場を出つ入りつ。木魚の音のポン/\たるを....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
しない人には容易に食い付けない。それで彼の仕事を正当に理解し、彼のえらさを如実に
估価するには、一通りの数学的素養のある人でもちょっと骨が折れる。 到底分らない....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
すり硝子の燈に、頸あしをくっきりと浮かして、ごらんなさい、それだけで、私のうちの
估券がグッと上りまさね。 兜町の、ぱりぱりしたのが三四人、今も見物で一所ですが....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
胴裏が絵甲斐機じゃア郡役所の書記か小学校の先生|染みていて、待合入りをする旦那の
估券に触る。思切って緞子か繻珍に換え給え、」(その頃|羽二重はマダ流行らなかった....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
後《のち》巴里に留《とどま》り修学せんと欲したれど学資に乏しかりしかば志を変じ商
估《しょうこ》となり、その宿泊せる下宿屋の一室に小美術舗《しょうびじゅつほ》を開....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
野参詣の頃における淀・山崎等の散所も、またこの要津に居所を定めて、往来の旅客|商
估に役せられて、生活していたものであろうと解せられる。 散所の状態が上述の如く....