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伸長
「伸長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伸長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
仮定しよう。そして、鍵穴から湯を注ぎ込む。すると、当然湿度が高くなるから、毛髪が
伸長して、重錘が紐の上に加わってゆき、勿論紐が弓状になってしまう。したがって、そ....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
満腹である。からだの直径がどう見ても三四倍になっている。他の動物の組織でこんなに
伸長されてそれで破裂しないものがあろうとはちょっと思われないようである。もっとも....
「天馬」より 著者:金史良
と腰をかけた。やはり彼等は自分達自身の手で朝鮮の文化を打ち樹てそしてその独自性を
伸長させるべきで、そのことは又結局は全日本文化への寄与でもあり、又ひいては東洋文....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
連関に束縛されざるを得ないように出来ているからなのである。 軍部は資本側の修理
伸長擁護(?)のために、敢えてブルジョアジー自身とその方針を争うことさえ出来る。....
「重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
しきりにぐるぐる廻転運動をしているのであった。つまり「えんこう」の手は自由自在に
伸長されるもので、こんなにまで長くなり得るものだという事が、この「事実」で証明さ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
じかれて突然やんだ。その巨大な魂は、彼のうちにはいり込み、彼の四|肢《し》や魂を
伸長させて、非常な大きさになした。彼は世界の上を歩いていた。彼は大きな山であって....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
! 火と土と水と輝いた空とを、人の心を脹《ふく》らす熱を、民族の本能的な運命的な
伸長力を、幾百万の人を従属させ軍勢を死へ突進せしむる、世界の帝王たる律動《リズム....
「小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
ーの中に制限される。制限されながらも、それは無限に遠く、無限に高く、無限に深く、
伸長され得るのだ。生意気でもなんでもない。これが童貞処女の肉体の矜りではあるまい....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
党である。胸中一片の信義もない。術策をもって業となし、他国に内訌を謀り自家の勢力
伸長のみを念としている。 昨年今川義元が織田信長に討たれて後は、天下平定、覇者....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
たものだけを若干列挙してみると次のようなものがある。 平板に円孔を穿ったものの
伸長変形に関する理論と実験の結果を比べたものが学位論文となっている。今日でこそ珍....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
棄てられていた球根にも季節が来れば花を咲かす。秋ともなれば急に花茎だけが地中から
伸長した。葉はまだ出していない。そしてあの反り返った細弁の真紅の巻き花が、物の見....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
しかもその働らきを見逃すわけにはいかない。現に科学は日に月に進歩し、社会的自覚は
伸長し道徳問題は波だちはじめている。それは総体としてのインテリゲンツィヤには一切....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
あるから、商売の種類は何であろうとも関わぬ、海外の金儲けは即ち国富の膨脹、国権の
伸長、国威の宣揚である。極端な例を挙げれば、醜業婦の渡航を国辱である如く騒ぐは短....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
たる教科を教うるようであるが、それでは各個人に就て深い注意を与えて各の個性の開発
伸長を計ることは誠に困難な事だ。 然しそれも教師の心得次第では全く出来ぬ事では....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
世紀のはじめまでは約三百年である。これだけの歳月と、その間における断えざる勢力の
伸長とは、皇室の地位をかためるには十分であったので、五世紀の日本においては、それ....